中様。
「親本」は正式な用語ではないかと。
チャチな辞書には出ていませんが、Googleあたりで検索すると、専門的なサイトも引っ掛かりますね。
あまりお役に立ちませんですが、ご指名でしたので。
森様。
九鬼本では、『いなづま奉行』(昭和34年新文芸社)は、『稲妻左近捕物帳』(昭和27年同光社磯部書房)の再刊本ですね。紙型流用各編タイトルのみ象嵌訂正だったはずです。
中さん、こんばんわ。
>南洋一郎 江戸川乱歩 海野十三集 日本児童文学大系第二九巻
> 昭和五十二年十一月二十日 ほるぷ出版
別件でたまたまこの叢書(の、西條八十集)のことを調べておりまして、日外アソシ
エイツの各種書誌、『日本書籍総目録』(1977〜, 日本書籍出版協会編・発行)、
八十の著作目録などを当たってみたのですが分からず、出版社に電話をして尋ねて
いました。
丁寧に対応していただけたのですが、もう古いことなので資料も残っておらず記憶
もあいまいなのだがと断った上で、
「たしか第 1期と第 2期の 2回に分けて、10数巻づつ数万円のセット販売で
全30巻だったかを出したのだと思います」
というご返事。月報のことは聞くのを失念していました。
けっきょく私たちが調べている目録では、未だ「価格不明」のままです。
同叢書第 3巻が石井研堂・押川春浪集なので、ならば横田順彌・会津信吾共著
『快男児押川春浪 日本SFの祖』(1987.12, パンリサーチインスティテュート)
所収「押川春浪年譜・著書目録・参考文献」を参照すれば分かるかも−−
と、思いつつも怠慢のため未だ目を通しておりません…
こんなでも参考になりましたら幸いです。
唐突ですが、九鬼紫郎の伝奇時代小説が改題のうえ再刊されていることが
わかりました。
『黒潮大名』(同光社,1955)の再刊が『海賊大名』(同星社,1958)で
『海賊大名』の前編が『怪奇鉄仮面』(同星社,1958)ですから、
『黒潮大名』の前編だという『どくろ大名』(同光社,1955)は、
『怪奇鉄仮面』の改題再刊と見てまちがいないようです。
とにかく時代物の数がはんぱじゃないので、ほかにも改題本があるかも
しれません。
森さん、
かわりにどうもすいません。
中さん
以下のこと調べがつきました。
1『幽霊塔』少年版江戸川乱歩選集6のこと
発行日に「改定」などの表記はありません。「第1刷」と、あるのみです。これだから少年物は……
定価は550円。
2 北宋社 「紅い花 青い花」「幻想飛行機」のこと
「初版」でも「第一刷」でもなく「発行」です。2冊とも1800円
3『影男』のこと
僕の所持本では5月でなく3月1日となっています。「発行」です。
それから「ポピュラーブックス」ではなく「ポピュラー・ブックス」ですね。
新書判 243P 270円 装幀・司 修
「収録」 影男・月と手袋・堀越捜査一課長殿
4南洋一郎 江戸川乱歩 海野十三集 日本児童文学大系第二九巻のこと
「函付き」ですが、そこにも定価の記載はありません。「セット販売のみだった」のでは無いでしょうか。
「月報」はありませんでしたが、古本で買ったので判りません。
5江戸川乱歩集 昭和国民文学全集18のこと
月報は見当たりません。ただしこれも古本で買ったのですが、元パラ付きの美本(一緒に買った他の巻には売上票も付いていた)にも関わらず、月報は付いていなかったので、99パーセントの確率で「無い」と思います。
函・元パラ・本体の内容は元版と同じ・装幀は違いますが、装幀者は同じ・1400円
昭和四十八年七月二十五日 初版第一冊発行
昭和五十二年十二月二十日 増補新版第一刷発行
中さん
横レスですみません。『ポアロとミス・マープル』の編者は
矢野浩三郎と数藤康雄の両氏です。それから西武タイムズ版は、
2冊(ホームズ、EQとそのライヴァルたち)ですべてです。
それから早川書房の『アガサ・クリスティー読本』(初版、
改訂増補版とも)にも乱歩の文書が再掲されていますが、こち
らはご存じでしょうか?
■末永昭二様
そのようにおっしゃられますと、放送はまだ先なのかなという気もしてきます。以前も記しましたとおり NHK からのお問い合わせはなんだかのんびりしておりましたので、なるほどいまだ問題作成の段階であったのかとも思い返されます。とはいえその一方、いついっかの放送であると期限を切った話であったような記憶もあるのですが、私はとにかく電話というものが嫌いで、とくに相手が NHK 関係者の場合、受信料不払い闘争をしぶとく展開している身としてはできるだけ早く話を切りあげてしまいたく、放送日のことなど気にもとめなかった次第です。おかげでとんだご迷惑をおかけしてしまい、おおきに反省をしております。ともあれ当分のあいだ、「クイズ日本人の質問」からは眼が離せぬ仕儀に立ち至りました。それでも受信料は払いませんが。
そういえば昨日、これは大阪府守口市にあるというコミュニティ放送局「エフエムもりぐち」から、やはり乱歩に関して問い合わせのメールをいただきました。毎週月曜日放送の「なおちゃんのもりかど探偵団」という番組で、来週8月20日に乱歩と守口の関係をとりあげるそうです。とくに守口在住の乱歩ファンのみなさんに、この場をお借りしてお知らせしておきたいと思います。
ところで末永さん、ふと思いつきましたので率爾ながらお訊きしますが、文庫版の元になった本、つまり、最初に単行本として刊行され、それが文庫化された場合の、その単行本のことなのですが、これを「親本」と呼ぶことがあります。この呼称は、業界の隠語のようなものでしょうか、それとも、一般的な書誌の世界で通用している言葉なのでしょうか。
●乱歩著書目録全集月報の部
下記の二冊、ご所蔵の方はいらっしゃるでしょうか。
南洋一郎 江戸川乱歩 海野十三集 日本児童文学大系第二九巻
昭和五十二年十一月二十日 ほるぷ出版
江戸川乱歩集 昭和国民文学全集18
昭和五十二年十二月二十日 筑摩書房
『南洋一郎 江戸川乱歩 海野十三集』は本体のみ所蔵しているのですが、名張市立図書館がかつて市民に貸し出しをしていた本なので(貸し出しカードを入れたポケットがそのまま残っています)、函と月報の有無がわかりません。ついでに定価もわかりません。たぶん函に定価が記載されていたのだろうと思うのですが、ご存じの方はお知らせください。
『江戸川乱歩集』は増補新版で、昭和48年に出た旧版には月報がついていたのですが、この増補新版にも月報があったのかどうかが不明です。私は増補新版の『角田喜久雄・国枝史郎集』を所蔵していて、それには月報が見当たりませんので(棄てたか失くしたか、という可能性はむろんあります。しかし私は、本の帯は棄てますが月報は残しておくことにしておりますので、棄てたり失くしたりの可能性は低いはずです)、たぶんなかったのではないかと思われるのですが。
中様。
クイズはまだまだ先の放映ではないでしょうか。
ニセの答えを完備して、資料を作って(VTR取材をして)、お客さんを入れて収録、という手順のようですから。
ボツといえば、なんでも、問題としては面白くても、ニセの答えが3つ揃わなくてボツになるものが多いっていう話でした。
■平山雄一様、森英俊様
「名探偵読本」に関するご教示、感謝いたします。おかげさまで、このシリーズのデータは下記のとおり判明しました。平山さんにはお手数ながら、『ポアロとミス・マープル』の編者名をお知らせいただければと思います。
名探偵読本3 ポアロとミス・マープル
【発行日】昭和五十三年十二月十八日
【発行所】パシフィカ
【編】■
【収録】クリスティに脱帽
名探偵読本4 エラリイ・クイーンとそのライヴァルたち
【発行日】昭和五十四年三月六日
【発行所】パシフィカ
【編】石川喬司、山口雅也
【収録】カー問答
【備考】昭和六十二年五月に追訂・新装版
名探偵読本8 金田一耕助
【発行日】昭和五十四年十一月十二日
【発行所】パシフィカ
【編】中島河太郎
【収録】「俳諧殺人」の創意──「獄門島」を評す
名探偵読本2(←ローマ数字の2) エラリイ・クイーンとそのライヴァルたち
【発行日】昭和六十二年五月八日
【発行所】西武タイム
【編】石川喬司、山口雅也
【収録】カー問答
【備考】追訂・新装版。旧版は昭和五十四年三月刊
西武タイムの刊行分については、ひきつづき情報提供をお待ちいたします。
●クイズ日本人の質問
昨夜の放送分でも、乱歩に関する出題はありませんでした。やはりボツになったと見るべきでしょう。どんな問題だったかをお知らせしておきますと、これはもうこちらの掲示板をご覧の方にはクイズにもならぬほど周知の事実なのですが、乱歩は作家デビュー前に屋台のラーメン屋を営んでいたことがある、というのが出題の眼目で、四択の答えのひとつが江戸川乱歩になるとのことでした。つまり、次のような問題と回答が想定されていたように思います。
Q 次の四人のうち屋台のラーメン屋を経営したことがあるのは誰でしょう。
A 江戸川乱歩 陳舜臣 邱永漢 王貞治
NHK からのお問い合わせは、乱歩がラーメン屋を経営していたことがわかる資料は何かとのことでしたので、『わが夢と真実』に収められた「小説を書くまで」のコピーをファクスでお送りいたしました。あまり面白い問題ではありませんし、もしかしたら文中にある「支那ソバ屋」という表現が忌避されたのかなとも思いますが、そんなことはともかくとして、「クイズ日本人の質問」と巨人ヤクルト戦との双方にせわしなくチャンネルを切り替えながらテレビをご覧になった方もいらっしゃることでしょう(私はそうでした)。重ねてお詫びを申しあげます。
中さん
パシフィカの名探偵読本は最初にお金をもらった原稿を書いたシリーズ
だったので、ちょっと思い出ぶかいものがありますね。
さて、同シリーズ『名探偵読本8 金田一耕助』(中島河太郎編,
1979年11月12日発行)に、「『俳謔殺人』の創意──『獄門島』を評す」
が144から145頁にかけて掲載されています。
>×名探偵読本 クリスティー
> 昭和五十三年十二月■日
「名探偵読本3,ポアロとミス・マープル」1978年12月18日となっています。ちなみにp25-31の「クリスティに脱帽」ですね。
このシリーズはのちに西武タイムから「シャーロック・ホームズ」など一部が復刊されています。私のもっているのはホームズだけでして、カバー袖にクイーンはもう出ていて、「ポアロ…」は近刊となっていて、出たかどうかはわかりません。すいません。
それから亀レスですが、ソ連の本、ロシアの友人が調べてくれました。
出版年は1961年4月16日、モスクワの出版社ですが、キリル文字ですので直接手紙でその名前は送ります。
■喜国雅彦様
何度も申し訳ありません。カバー版『幽霊塔』の奥付には、「新装第一刷」とでもいった記載があるのでしょうか。あわせてお知らせいただければ幸甚です。
■ Dupin 様
ご無沙汰いたしました。どうもありがとうございます。昨夜メールでお知らせいただいた方があり、少年倶楽部文庫の初版定価が判明しました。
怪人二十面相 昭和五十年十月十六日 三〇〇円
少年探偵団 昭和五十年十一月十六日 二八〇円
お手数をおかけしました。今後ともよろしくお願いいたします。
■喜国雅彦様
となりますと、カバー版『幽霊塔』の書誌データは次のようなものでしょうか。
幽霊塔 少年版江戸川乱歩選集
【発行日】昭和四十九年五月二十日
【発行所】講談社
【体裁】B6判 カバー 二二二頁 一丁
【定価】■円
【意匠】表紙・口絵:生頼範義 さし絵:長谷川晶 装丁:水野石文
【作品編集】中島河太郎
【内容】幽霊塔/「幽霊塔」について:中島河太郎
【備考】扉に「江戸川乱歩・作/中島河太郎・文」と記載
えー、それから、まことに申しあげにくいのですが、以前お知らせいただきました北宋社のアンソロジー、下記の二点の発行日をお調べいただけませんでしょうか。またこの二点、奥付の記載は「初版」「第一刷」などのうちどれになっているでしょうか(といったことも押さえたいと、つい先日思いついた次第でして)。
紅い花 青い花
昭和五十三年七月■日 監修:吉行淳之介 編:堀切直人 「毒草」収録
幻想飛行機
昭和五十四年九月■日 監修:埴谷雄高 編:堀切直人 「空襲の美観」収録
お暇なおりによろしくお願いいたします。
●桃源社の部
ひきつづき乱歩の著書についてお尋ねいたします。
乱歩没後に桃源社から出た著書は次の三点らしいのですが、×マークのものが未確認です。ご所蔵の方はいらっしゃいませんか。
×影男 ポピュラーブックス
昭和四十三年五月■日
○黒蜥蜴 ポピュラーブックス
昭和四十三年九月二十日
×陰獣 全日本ブッククラブ版
昭和四十六年二月■日
●パシフィカの部
パシフィカという出版社から刊行された「名探偵読本」というシリーズのうち、次の二冊に乱歩作品が収録されております。×マークが未確認です。
×名探偵読本 クリスティー
昭和五十三年十二月■日
○名探偵読本4 エラリイ・クイーンとそのライヴァルたち
昭和五十四年三月六日
シリーズ中、これ以外にも収録分がありましたらご教示ください。また、『エラリイ・クイーンとそのライヴァルたち』は昭和62年に「追訂・新装版」が刊行されておりますが(確認済み)、『クリスティー』のほうはどうなのか、ご存じの方はお知らせください。
大塚俊一 さん、はじめまして(^o^)ノ
ああ、白井喬二かあ・・あのね、わしね、古本で「怪建築十二段返し」を
買って、翌年、こんな文庫を見つけてフギャ−!となったんですわ。
大陸文庫「怪建築十二段返し」1990/8/8初版
収録は「江戸天舞教の怪殿」「全土買占の陰謀」「白雷太郎の館」
「怪建築十二段返し」解説は縄田一男さん
出ているの知らんかったんだもん、わし(/_;)ヨヨヨ
中さん
やっとのこと仕事が終わったので今頃デパート古書展へ。
すると、森さんから報告のあったカバー版『幽霊塔』がまだ残っているではないですか。こりゃ、やっぱ買わなきゃいかんでしょう。
発行 昭和49年 5月20日 222P
中身は函版と全く同じ。ただし、厚めの紙を使っているので、ツカはかなりあります。カバー絵は生頼さんの函版と同じイラストが小さくトリミングされていて、ただの流用に見えますが、垂れた血糊が少しだけ書き替えられています。
>いずれにせよ見たことも聞いたこともありません
僕も乱歩邸で見ただけです。同じ本が10冊ぐらいづつ並んでいました。わあ、同じ本がいっぱいあるなあ。これ持ってないんだよなあ。と、聞こえるようにつぶやいてみましたが、当然のこと「じゃ、持っていっていいですよ」とは言われませんでした(笑)。2回目に行ったときにも。やってみましたが、勿論ダメでした。
中さま
「怪人二十面相」少年倶楽部文庫 昭和五十年十月十六日 は300円です。所持本のデータベースを検索すると同年の十月二十日に買ってますから初版でしょう。
北海道から帰ってきました。
告知が利いたのか、偶然か、最初に行った、すすきの手前の「石川書店」で、以前から目をつけていて1年間売れずに残っていたロジェ・カイヨワ「妖精物語からSFへ」を買おうとしたところ、レジにサンリオ文庫の山が。とりあえず、ディック・ゼラズニイの「怒りの神」、ディックの「あなたを合成します」、「最後から二番目の真実」、「スラデック言語遊戯短編集」の4冊をキープして、旅行から戻るまでに値付けするように依頼。私としては、スラデックが一番高くなると思ったのですが、結局スラデックが800円、「怒りの神」3千円、残りが1,900円づつ。
ディキンソンの「緑色遺伝子」はダブりなので買いませんでしたが、700円。
店でも一辺に5,60冊持ち込まれたのは初めてのこと、持ち込んだ人も特にマニアではなく、新刊が出たときに買っているうちに集まってしまったとのでしたが、店では以前せどりの被害にあったとのことで、ほどほどの値段を付けたとのこと。他にも裏表紙を見て気に入ったものを数冊、新刊価格程度で。
他には、桃源社のハードカバーが結構あったものの、東京と相場変わらず見送り。
前置きが長くなりましたが、白井僑二の掲題作が目にとまり、パチンコの勝ち分で追加購入。本格物の捕物帖のようですが、筑摩文庫で「富士に立つ影」が復刊されたとき、どうしてこの本が注目を集めなかったのか不思議です。もっと、広く読まれてもいいのではないでしょうか。
あとはパッとしなかった感じでした。
■森英俊様
お知らせありがとうございました。まったく存じませんでした。カバー装の改装版が出ていたということでしょうか。ご覧になったとおっしゃる第六巻は、おそらく中島河太郎先生のリライトによる『幽霊塔』かと思われますが、いずれにせよ見たことも聞いたこともありません。がーん、といったところです。念頭に置いて目録編纂を進めたいと思います。
●少年版江戸川乱歩選集
といったような次第で、一難去ってまた一難、講談社「少年版江戸川乱歩選集」全六巻の異装本(改装版か)について、ご存じの方はよろしくご教示をたまわりたいと存じます。
●講談社文庫
ついでですから、講談社文庫についてお聞きいたします。「江戸川乱歩推理文庫」を除いて、また乱歩作品を収録したアンソロジーは除外して、講談社文庫に収められた乱歩作品は次のものが判明しております。×マークは初版定価不明。
×二銭銅貨・パノラマ島奇談ほか三編 講談社文庫
昭和四十六年九月十五日
○一寸法師・黒蜥蜴 講談社文庫
昭和四十八年六月十五日 二八〇円
×怪人二十面相 少年倶楽部文庫
昭和五十年十月十六日
×少年探偵団 少年倶楽部文庫
昭和五十年十一月十六日
○THE BOY DETECTIVES CLUB 講談社英語文庫
昭和六十三年八月二十二日 四八〇円
○明智小五郎全集 大衆文学館
平成七年六月二十日 八六〇円(本体八三五円)
ついでに、文庫本ではないけれど講談社の新書サイズのシリーズなどに入っている乱歩作品も列記いたします(「江戸川乱歩シリーズ」は除外)。
○十字路 ロマン・ブックス(新書判)
昭和三十四年五月二十五日 一二〇円
×怪人二十面相 少年少女講談社文庫(B6判)
昭和四十七年七月十二日
×怪人二十面相 青い鳥文庫(新書判)
昭和五十八年十二月十日
以上、×マークの初版定価、また上記リストから洩れている乱歩の著書など、ご存じの方はよろしくお願い申しあげます。
中さん
ご存じとは思いますが、上記の選集、函ではなく、カバー付きの
異装本(後版?)があるようです。ぼく自身も未見だったのですが、
きょうのデパート展に6巻目(題名を失念してしまいました)が
並んでおりました。
角川文庫の初版定価について、お二人の方からメールでお知らせをいただきました。お一人は、平成七年に刊行された『角川書店図書目録』から引いたデータを、もうお一人は未確認だった三冊の定価を、といった次第で、次のとおり判明しました。
芋虫 二六〇円△
黒蜥蜴 二六〇円△
一寸法師 二六〇円△
悪魔の紋章 二六〇円△
吸血鬼 二六〇円△
黄金仮面 二六〇円
白髪鬼 二六〇円△
陰獣 二六〇円△
影男 二六〇円△
三角館の恐怖 三四〇円△
蜘蛛男 三四〇円
地獄の道化師 三四〇円
パノラマ島奇談 三八〇円
緑衣の鬼 三四〇円
屋根裏の散歩者 三四〇円
大暗室 三四〇円
魔術師 三四〇円
化人幻戯 三四〇円
十字路 三四〇円△
暗黒星 三四〇円
△マークは『角川書店図書目録』に記載されたデータです。まず間違いはないと思われますが、できれば現物を確認いたしたく、△マークの初版をご所蔵の方はよろしくお願いいたします。
目録をつくっている人間がこんなことを申しあげるのも何ですが、というか、乱歩の著書目録をつくりながらたとえばどこかの出版社が出した出版目録を参照してみるとよくわかるのですが、目録というのはどうもあてになりません。あてにならぬというのはいいすぎだとしても、全面的に信を置く気にはなれません。この手の目録というのはそもそもそういったもので、完璧な目録などあり得ないのだということがいよいよ実感されてきます。したがいまして、ご協力をいただきながらじりじりと編纂作業を進めております『江戸川乱歩著書目録』は、どの程度あてにならないかを明示した目録にしたいと考えております。むろんできるだけあてになる目録にしたいとは思っておりますので、ひきつづきよろしくお願い申しあげます。
さて今度は、と次の質問に入りたいところなのですが、お盆休み前ということもあって妙に身辺あわただしく、質問の準備に手が廻りかねております。機会を改めたいと思います。それでは。
昨日お尋ねしました講談社の「少年版江戸川乱歩選集」は、ある方からメールでご教示をいただき、データ確認を済ませることができました。ご放念ください。
先日、利三郎や川田功の初出を調べるために、『文藝年鑑』を調べてきました(小林様ご教示ありがとうございました)。図書館所蔵の大正12年から15年と昭和4年版だけですが。
しかし色々と興味深いことがわかりました。
まず、大正14年まで乱歩は「文士録」には登場しない。掲載されているのは松本泰と、まだミステリに手をつけていないと目されている不如丘のみ。
『文藝年鑑』で探偵小説が1ジャンルと認知されるのは大正14年からであること(それも大衆文学のひとつとして)。したがって乱歩が『文藝年鑑』に掲載されるのは大正14年から(同時に不木も)。
昭和4年には確固たるものとして探偵小説が挙げられている(「探偵小説界の一瞥」なる解説もある)。ただし文士録にはやはり乱歩、不木、泰、甲賀、不如丘ぐらいしか挙がっていない。
昭和4年版からは主要雑誌の年間目次が掲載されているが、探偵小説誌はハナから問題になってない(といっても当時は「探偵趣味」ぐらいか)。「新青年」が唯一の専門誌として扱われている。
という感じでしょうか。結局、利三郎(ただしサンデー毎日に一編書いていたのに気付いた)や角田「梅雨時の冒険」などの初出はわかりませんでした。
>末永様
ご意見ありがとうございます。確かに年表で傾向を見てしまうのは危険ですね。読者の受容という問題もありますし。
たとえば「宝石」創刊号が馬鹿売れしたということですが(5万部だったかな、九鬼紫郎によると)、探偵小説ファンがワンサカいた訳ではないでしょう。カストリ雑誌と大差ない扱いを受けていたわけですから。つまり尖鋭なミステリ読みのみがそれらの雑誌を支持していたわけではない、ということでしょうか。
オーナー殿、中様、ありがとうございました。
明日からは久しぶりに札幌に行ってきます。
どうも申し訳ありません。昨日放送された「クイズ日本人の質問」に関して、とんでもないガセネタをかましてしまいました。お詫びを申しあげます。
そういえば、二年前の夏休み最後の日曜にもこの番組で乱歩のことが出題され、やはりスタッフの方から問い合わせのお電話をいただいたのですが、そのときの切迫した印象に比較すると今回はかなりのんびりした感じで時間的余裕が窺えましたから、放送はまだ先なのかもしれません。
いやしかし、二年前にお聞きしたところではあの番組はたしか金曜に収録して日曜に放送するとのことでしたから、それならば放送予定はきのうだったけれども問題がネグレクトされてしまったという可能性もあります。
とはいうものの、一度に二週間分を収録していることも考えられますから、やはり来週の放送ということになるのでしょうか。
ともあれ、とりあえず来週の放送を確認したいと思います。ガセネタ配信の段、重ねてお詫び申しあげます。平身低頭、右顧左眄。
■末永昭二様
といったような次第で、どうもご迷惑をおかけしました。「キツツキはあんなにヘッドバンギングしているのに、なぜモーローとしないのか」の件、「気合を入れてつついているから」という答えしか思い浮かびません。暑さのせいで思考力を完全に失っております。
■大塚俊一様
「翼ある靴」の件、小林文庫オーナー様の書き込みを拝見して思い出しましたが、たしかに「戌神はなにを見たか」です。講談社文庫『戌神はなにを見たか』に収録された山前譲さんの「解説」から引用します。
本書「戌神はなにを見たか」は、“推理小説特別書下しシリーズ”の七冊目として、講談社より昭和五十一年二月に出版された。鮎川哲也氏にとって十八作目の長編推理小説である。前作「風の証言」は昭和四十六年十月に発表されているので、四年ぶりということになる。「翼ある靴」という仮題が予告されたことがあったが、結局出版に際しては「人それを情死と呼ぶ」(昭36)に並ぶ長いタイトルになった(もし「翼ある靴」だったならば鮎川氏お得意のかな七文字タイトルということになったのだが)。
以上です。
■小林文庫オーナー様
「クイズ日本人の質問」の件、ほんとに申し訳ありません。ポプラ社のシリーズに関するご教示、ありがとうございました。私も亡父に買ってもらった光文社の少年もののシリーズをもっていたのですが、とっくの昔にどっかへ行ってしまいました。それ以降もとくに気をつけて乱歩の本を買うといったことはまったくありませんでしたので、こんなことになるとわかっていたならばと臍を噛むことしきりです。といったような次第で、本日は少年ものの選集に関して質問させていただきます。
●少年版江戸川乱歩選集
というのが昭和45年、講談社から刊行されております。ラインアップは下記の六冊なのですが、×マークの三冊が未確認です。ご所蔵の方はお知らせいただければ幸甚です。
○蜘蛛男 昭和四十五年七月三十日
×一寸法師 昭和四十五年七月■日
×幽鬼の塔 昭和四十五年七月三十日
○人間豹 昭和四十五年八月二十八日
×三角館の恐怖 昭和四十五年九月二十九日
○幽霊塔 昭和四十五年十月二十八日
よろしくお願いいたします。
Powered by T-Note Ver.3.20 |