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小林文庫の新ゲストブック

過去ログ 2001年07月01日〜2001年12月31日



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No.191 (2001/08/18 19:51) title:山中峯太郎研究協会
Name:平山雄一 ()
Email:hirayama@parkcity.ne.jp
URL:http://www.parkcity.ne.jp/~hirayama/Jyamanaka.htm

今日は、平山です。
オーナー様、ちょっとこの場をかりて宣伝させて下さい。

かねてからの念願でありました、「山中峯太郎研究協会」の設立のご許可を御遺族からいただきました。つきましては、ここにそのお知らせをいたします。詳細につきましては上記リンクをご覧下さい。皆さまの多数の御参加をおまちしております。


No.190 (2001/08/18 19:18) title:小さい出版社ならゾッキにしますが。講談社なので裁断でしょう。
Name:喜国雅彦 ()

大塚さん
 講談社文庫大衆文学館ですが、あまりの定価の高さに発売当時は10冊ほどしか買ってなかったのですが、店頭から無くなると急に欲しくなるのが、古本者の性(さが)でして(笑)、最近はコレ目当てに、新古書店を回っています。で、半年かけて81冊。残りは19冊ですが、これが見つかりません。というか、81冊まできたのが奇蹟のようです。


No.189 (2001/08/18 17:00) title:『黄金仮面』
Name:森 英俊 ()
URL:http://www.tcn-catv.ne.jp/~mystery/top.html

中さん

 手元にあるポプラ社日本名探偵文庫版の『黄金仮面』はあいにく第4版
なのですが、奥付を見ると4版の発行日が昭和31年11月25日で、昭和30年
2月10日が初版と記載されており、中さんのほうの把握している発行年月
とくい違っているようです。


No.188 (2001/08/18 15:28) title:工事完了のお知らせと、乱歩関連
Name:小林文庫オーナー ()
Email:kobashin@mail.wind.ne.jp
URL:http://www.st.rim.or.jp/~kobashin/

 小林文庫です。
 
 お騒がせしましたが、プロバイダーの移転作業も無事完了し、通常通り「ゲストブック」「黒猫荘」にアクセスできるようになりました。
 (って言うか、ホントウに接続できない時間が有ったのだろうか…?)
 従来通り、ゲストブックをご利用下さい。
 
万 国博 さん
 初登場、ありがとうございます。
 万 国博 さんの書き込みのおかげで、乱歩の少年物出版の変遷が、すっきりと明らかになりました。
 ありがとうございます。
 
 実は、話題になっている、まさにこの時期に、私は乱歩の少年物を購入していたんです。
 先日、蔵から発掘した(当時リアルタイムで買っていた)本を見ると、
  光文社版 少年探偵全集「怪人二十面相」(昭和36年12月発行)
  ポプラ社版 世界推理小説文庫「鉄人対怪人」(昭和37年7月発行)
  ポプラ社版 少年探偵江戸川乱歩全集「少年探偵団」(昭和39年8月発行)
 が含まれていました。
 光文社版「怪人二十面相」には、昭和37年8月18日購入 と書きこまれていました。
 なんで(購入した本の)出版社がバラバラなんだろうと思っていましたが、中さんの解説によれば、昭和37、38年頃にかけて、乱歩の少年物が手に入らない空白の期間があって、その間渇を癒すため、ポプラ社版「世界推理小説文庫」を買っていた、と言うことなんでしょうか?
 (良く覚えてないけど…笑)

 それにしても、少年探偵団手帳やBDバッヂなど、みんな持っていたはずなのに、どこかに消えてしまったのは、ホントウに残念です。
 BDバッヂの復刻版だけでも買おうかなぁ(笑)

ノーネーム さん
 「クイズ大人の小学校」は、私も偶然見てました。
 (家に帰った直後で、最期の10分間くらいだけ見たんですが、最後の質問だったので見ることが出来た)
 殆どの回答者が正解でしたね。間違った人は一人だけでしたっけ?
 早速、掲示板で報告しようとしたら、既にノーネームさんの書き込みがありました。
 素早いご報告、ありがとうございます。

やよい さん
 SRマンスリー拝見。
 (実は、私は隠れSRの会 会員です)
 島田一男の処女作と満洲出版物の調査、素晴らしいことになっていますね。
 それだけ調べられても解らない、島田一男の処女作って…
 
 少し前に話題になった、乱歩・正史合作「女妖」の満洲日報での連載発見。
 この新発見については、島田一男さんの満洲時代の執筆調査経過と併せて、「SR Monthly No.317」で発表されています。
 勝手に、ご報告。


No.187 (2001/08/18 08:49) title:講談社文庫大衆文学館
Name:大塚俊一 ()

ふと気がついたら、掲題のシリーズが店頭から姿を消していました。
以前、講談社新書から著書を出していた音楽評論家から、絶版の際に、在庫裁断の同意書をとられ、自分の分だけ、今のうちに記念に持っていってくださいといわれたという話を聞いたことがありますが、やはり、在庫は無くなってしまうんでしょうか。


No.186 (2001/08/18 07:59) title:ポプラ社版少年探偵江戸川乱歩全集疾風篇
Name:中 相作 ()
Email:stako@e-net.or.jp
URL:http://www.e-net.or.jp/user/stako/frameset.html

 おはようございます。けさは起床が遅くなってしまいました。それにきょうは午前8時から正午ごろまでこちらの掲示板が利用できなくなるとのことですので、話題がてんこ盛りではあるのですが、NHKのクイズの話もBDバッジの話も村上一統の話も「一寸法師」の話も先送りして、ポプラ社版少年探偵団全集について記すことにいたします。

 まず、例によってリストを示します。ポプラ社から出た乱歩の著作のうち、昭和二十八年から三十八年までの分です。オリジナルの少年ものは「新宝島」を改題した『黄金宮殿』一冊だけで、大人向け作品のリライト本と乱歩名義の翻訳本とがずらりと並んでいます。

黄金仮面
 昭和二十八年十一月五日

黄金宮殿(新宝島)
 昭和二十九年五月十五日

人間豹
 昭和二十九年十一月三十日

海底の黄金  世界名作探偵文庫8
 昭和二十九年十一月■日  作:ボアゴベイ

暗黒街の恐怖  世界名作探偵文庫15
 昭和三十年五月五日  作:マッカレー

呪いの指紋(悪魔の紋章)  日本名探偵文庫1
 昭和三十年八月五日

快傑ドラモンド  世界名作探偵文庫25
 昭和三十年十月三十一日  作:サッパー

灰色の幻  世界名作探偵文庫28
 昭和三十年十二月二十五日  作:ハーマン・ランドン

赤い妖虫(妖虫)  日本名探偵文庫12
 昭和三十一年二月二十五日

海峡の秘密  世界名作探偵文庫10
 昭和三十一年二月二十五日  作:クロフツ

黄金仮面  日本名探偵文庫9
 昭和三十一年四月■日 

大暗室  日本名探偵文庫21
 昭和三十一年十二月三十日

魔術師  名探偵明智小五郎文庫1
 昭和三十二年十月三十日

黒いトカゲ(黒蜥蜴)  名探偵明智小五郎文庫2
 昭和三十二年十二月三十日

緑衣の鬼  名探偵明智小五郎文庫3
 昭和三十三年三月二十五日

地獄の仮面(吸血鬼)  名探偵明智小五郎文庫4
 昭和三十三年六月十日

三角館の恐怖  名探偵明智小五郎文庫5
 昭和三十三年七月二十五日

呪いの指紋(悪魔の紋章)  名探偵明智小五郎文庫6
 昭和三十三年八月二十日

暗黒星  名探偵明智小五郎文庫7
 昭和三十三年九月二十五日

蜘蛛男  名探偵明智小五郎文庫8
 昭和三十三年十一月十日

地獄の道化師  名探偵明智小五郎文庫9
 昭和三十四年一月五日

幽鬼の塔  名探偵明智小五郎文庫10
 昭和三十四年二月二十五日

大暗室  名探偵明智小五郎文庫11
 昭和三十四年三月二十五日

一寸法師  名探偵明智小五郎文庫12
 昭和三十四年四月十日

赤い妖虫(妖虫)  名探偵明智小五郎文庫13
 昭和三十四年四月三十日

時計塔の秘密(幽霊塔)  名探偵明智小五郎文庫14
 昭和三十四年八月十日

影男  名探偵明智小五郎文庫15
 昭和三十五年四月三十日

黄金仮面  少年探偵小説全集1
 昭和三十五年十月十日

人間豹  少年探偵小説全集2
 昭和三十五年十一月五日

白い羽根の謎(化人幻戯)  少年探偵小説全集7
 昭和三十六年二月二十日

第三の恐怖(暗黒街の恐怖)  世界推理小説文庫1
 昭和三十七年五月■日  作:マッカレー

怪船771号(海峡の秘密)  世界推理小説文庫3
 昭和三十七年五月■日  作:クロフツ

海底の黄金  世界推理小説文庫8
 昭和三十七年七月■日  作:ボアゴベイ

鉄人対怪人(怪傑ドラモンド)  世界推理小説文庫10
 昭和三十七年七月三十日  作:サッパー

あばかれた秘密(灰色の幻)  世界推理小説文庫11
 昭和三十八年四月五日  作:ハーマン・ランドン

 あー時間がない時間がない。
 急いで先をつづけますと、光文社から刊行された乱歩の少年ものはたいへんよく売れました。いわゆるドル箱です。だからポプラ社としても、なんとかして乱歩の本を出したかった。で、少年雑誌に「黄金仮面」のリライト(執筆は武田武彦)が連載され始めたとき、ポプラ社の青年編集者が乱歩のもとを訪れて、「黄金仮面」のリライトをうちから出させてくださいませんかと頼み込みました。しかし乱歩は、少年ものは光文社から出すことに決まっている、とにべもありません。青年はそれでも週に一度は乱歩邸に足を運ぶのですが、乱歩は二度目からは顔を見せようともせず、かわりに乱歩夫人が、いくらお見えになっても駄目なものは駄目だと申しておりますので、みたいなことをくりかえすばかりです。しかし読者諸君、熱誠はいつか巖をも穿つのであります。ある日、乱歩邸を訪れた青年の前に思いがけず乱歩が現れ、君には根負けしたよ、「黄金仮面」はポプラ社から出すことにしよう、と微笑みかけたのでありました。
 といった事情はその青年編集者、現在はポプラ社を退職された秋山憲司さんがポプラ社の少年探偵・江戸川乱歩第6巻『地底の魔術王』(1998年11月刊。最新のリニューアル版です。秋山さんはこの全集の編集委員のお一人でもあります)に収録された「乱歩先生のこと」に記していらっしゃるのですが、この『黄金仮面』を皮切りとして、ポプラ社からは上に掲げたリライトものと翻訳ものが相次いで刊行され、これがまたよく売れたと申します。そして昭和三十七年、つまり、講談社の少年探偵団全集の五巻だけが昭和三十六年十二月に刊行された、その翌年のことを、秋山さんはこのように書いておられます。

 《一方、光文社の『少年探偵・江戸川乱歩全集』は、一九六二(昭和三十七)年になるとなぜか書店の店頭から姿を消してしまいました。このことを乱歩先生にお話しすると、早速、光文社に問い合わせて下さいました。すると「当分出版の意思はないので権利を譲ってもよい」という返事だったので、『少年探偵』シリーズはポプラ社から引き続き発行されるようになったのです。》

 ポプラ社から少年探偵江戸川乱歩全集の第一巻として『怪人二十面相』が刊行されたのは昭和三十九年八月のことでした。
 というところで、ちょうど時間となりました。


No.185 (2001/08/18 04:22) title:少年探偵江戸川乱歩全集怒涛篇のお礼
Name:万 国博 ()
Email:phantasm@rnac.ne.jp

■中相作様

この度は、詳細なる調査、誠にありがとうございました。いたみ入ります。
多くの江戸川乱歩サイトを検索しても晴れなかった、これまでの疑問が全て解決致しました。
単行本、痛快文庫、ソフトカバー版、ハードカバー版、少年探偵団全集がどのような形で発行されて行ったかが
大変よく理解できました。

しかし、通常ハードカバーからソフトカバーにマイナーチェンジされるのが一般的だと思っていたのですが、
実はソフトカバー版で出版されていたものが、昭和30年頃を境に逆にハードカバーに変更されて行ったとは、
自分自身大変な誤解をしていました。ソフトカバーの方が副産物的存在だと思い込んでいたのです。
確かにこのシリーズ、私が持っているソフトカバー版の「(4)大金塊」「(5)青銅の魔人」は、発行がいず
れも昭和20年代でしたし、ハードカバー版の「(3)妖怪博士」は昭和32年の発行となっていました。

「少年探偵団全集」の存在については大変驚きました。光文社版では未刊でポプラ社が発行した「電人M」等が、
昭和36年に開始した光文社「少年探偵団全集」で発行される予定になっていたとは。
それが、5巻発行したところで途絶してしまったのは、本当になぜだったのでしょうね?
当時光文社の経営陣は少年物の発行に理解が無かったと聞きます。この辺は、後に少年」が休刊してしまったこと、
光文社が少年向週間誌に参入しなかったこと、少年向け出版物の発行を縮小してしまったこと、ドル箱のはずの
「江戸川乱歩全集」の版権をポプラ社に譲ってしまったことからも容易に推察されます。

実は、最近入手した「少年探偵手帳・完全復刻版」に「少年探偵団全集」の広告写真が載っていました。最初見た
ときは「少年探偵・江戸川乱歩全集」の事だと思って気にしていなかったのですが、今回の中さんの報告を見させ
ていただきまして、すぐ読み直して見ました。確かに「電人M」「妖星人R」「超人ニコラ」がラインナップされ
ていました(リニューアル版だったんですね)。それには、「お正月までに4冊、後は毎月2冊出る」と書かれて
いましたから、年明けて昭和37年の始めに「青銅の魔人」1冊出して途絶してしまった事になります。
ポプラ社から最初の少年探偵団シリーズ「妖怪博士」が発行されたのは昭和39年7月、光文社の「少年探偵団全
集」が途絶して約2年と半年あまり。本の出版において、企画から発行までいったいどれくらい期間を要するもの
なのか分かりませんが、これは、やはり、光文社は全集のリニューアルを企画したものの、ポプラ社への版権譲渡
の話から、このシリーズは途絶してしまったものと思われます。
版権譲渡の話がいったいどちら側から出たものかは不明ですが、ポプラ社は、これまでに「明智小五郎文庫」など
で大人向け小説のリライト版を出していましたから、ぜひとも少年探偵シリーズも自分の所で出版したいと狙って
いたのでしょうね。

それから、さらに最近入手した小学館発行「小学六年生」昭和32年1月号に、武田武彦脚色による「大暗室」が
掲載されていました。
掲載分をポプラ社発行の氷川瓏リライトによる「名探偵シリーズ・大暗室」と比較してみましたが、「小学六年生」
が文章的にいくらか削ってはいたものの内容的にほとんど同じで、登場人物も同じでした。「名探偵シリーズ・大
暗室」の改訂前の「日本名探偵文庫1・大暗室」が昭和31年発行となっていますから、この双方に何らかの関係
があることは確実なんだと思いますが、少年探偵シリーズの雑誌掲載分データは、これまで詳細が出ていましたが、
さすが、リライト版の雑誌掲載分に関しては、詳しいデータはどこからも出ていなかったと思います。まったく訳
が分からず、混乱しています。
しかし、「小学六年生」に「大暗室」の連載とは、小学館もかなり思い切ったことをしていたんですね。

では、この辺で。失礼致します。


No.184 (2001/08/17 21:49) title:乱歩「一寸法師」
Name:岩堀 ()
Email:dc8y-iwhr@asahi-net.or.jp


 中様

 「一寸法師」世評の件、早速のレス有難う御座います。やはり、評判は
 良かったんですね。
 こういう時に「貼雑年譜」の有無の差が出てきますね。女房を口説き落と
 してでも買えばよかった・・・(泣)

 >『乱歩──キネマ 浅草コスモ座』では、乱歩が最初の休筆に至った経緯と
 >背景をわかりやすく説明するために、「読者の顰蹙」というささやかな虚構が
 >盛り込まれたのではないでしょうか。

 たしかに、この本はノンフィクション風ではありますが、フィクションがさり
 げなく入っているようです。乱歩と海野十三が、浅草の「深夜の散歩」を楽しん
 だ話が出てきて、私はこれもフィクションかと思ったりしたのですが、こちらは
 海野十三の思い出として「探偵小説四十年」にも載ってましたね。


No.183 (2001/08/17 19:53) title:光文社の「少年探偵団全集」
Name:古本まゆ ()
Email:mayu2@sb.starcat.ne.jp

中 相作さま 喜国雅彦さま

 この話題、懐かしいです。 BDバッチは当時もらいました。若気のいたりで、この全集を手放してしまったことを悔やみ続けています。
 巻末の各巻の紹介の文章が素晴らしく、それを何回も読み返して未読の巻に想いをはせたものでした。余程優れた編集者が編纂していたのでしょうね。
 もう一度買いたいけど、古本でもなかなか出てきません。


No.182 (2001/08/17 09:38) title:村上
Name:日下三蔵 ()
Email:CXX06677@nifty.ne.jp

日下です。

> 村上芳正というのは角川文庫版赤江瀑作品の装幀を手がけていた人では
>ないか、と思って確認してみたのですが、装幀者は村上昴という人でした。
>やはり村上一統の親戚筋なのでしょうか。

村上芳正が改名して村上昂です。血縁関係があるかどうかは
知りませんが、村上豊とは別人です。


No.181 (2001/08/17 08:26) title:全集その後
Name:喜国雅彦 ()

中さん
>この全集は五巻までで杜絶しています。理由はよくわかりません。
 函版というヤツですね。BDバッジ引換券がついていました。ちなみに僕はこの引換券3枚持っているので、バッジがもらえます。光文社に送らなきゃ。ルンルン


No.180 (2001/08/17 07:49) title:お礼お答えお詫びなど
Name:中 相作 ()
Email:stako@e-net.or.jp
URL:http://www.e-net.or.jp/user/stako/frameset.html

 ■喜国雅彦様
 何度もお手数をおかけして申し訳ありませんでした。
 村上芳正というのは角川文庫版赤江瀑作品の装幀を手がけていた人ではないか、と思って確認してみたのですが、装幀者は村上昴という人でした。やはり村上一統の親戚筋なのでしょうか。ちなみに私は中一弥さんとは何のゆかりもない者です。中勘助とも無縁ですが、ロリコンの気は多少あります。

 ■岩堀様
 乱歩の「一寸法師」が発表当時、読者から非難されたという話は聞いたことがありません。『探偵小説四十年』をはじめとした乱歩の回想にも記されていませんし、『貼雑年譜』にもそうしたスクラップは見当たりません。『貼雑年譜』に乱歩はこう書いています。

《「一寸法師」ハ支離滅裂ノ悪作デアツタガ、東西「朝日」二百万ノ読者ノ目ニ触レタトイフワケデ世評ニモノボリ、江戸川ノ名ハ有名ニナツタガ、映画化モ松竹ト直木君ノ会社ト二ツカラ申込ガアツタ。》

 読者からは好評をもって迎えられたのではないかと思います。少なくとも、明らかに不評であったということを示す資料は見つかりません。『乱歩──キネマ 浅草コスモ座』では、乱歩が最初の休筆に至った経緯と背景をわかりやすく説明するために、「読者の顰蹙」というささやかな虚構が盛り込まれたのではないでしょうか。作者の勘違いという可能性もありますが。

 ■森英俊様
 ご丁寧にありがとうございました。
 「中学生の友」付録の「幽霊塔」は、いまだに見たことがないのですが、乱歩の手書き目録によれば氷川瓏によるリライトです。講談社の少年版江戸川乱歩選集は、たしか六作とも書き下ろしでリライトされたのではないかと思います。それにしても、学習誌の付録までご所蔵でいらっしゃるとは。驚き入っております。いずれまた付録版「幽霊塔」のことでお訊きしなければならぬことが出てくるかもしれません。どうか紛失譲渡売却はなさらないでください、とお願いしておきたいと思います。

 ■金光寛峯様
 今後ともお気づきの点はお気軽にお知らせください。「日本古書通信」の「古書番付」、さっそく見てみることにいたします。これもたぶん“乱歩文献”だと思います。

 ■ノーネーム様
 どうもお知らせありがとうございます。「クイズ日本人の質問」ではなくて「クイズ大人の小学校」でしたか。そんな番組があることすら知りませんでしたが、われながらとんでもないガセネタでした。いやお恥ずかしい。そういえば私は、NHK スタッフの方と電話で話していて、番組名を一度たりとも話題にしませんでした。
 ここで事情を振り返りますと、ある日、午後7時ごろだったでしょうか、自動車で一時間あまりかかる出先から帰宅しましたところ、名張市立図書館からファクスが入っておりました。これがまたじつに莫迦なファクスで表裏を間違えて送信されており、つまり太目の水性ペンで書いた文章がうっすら裏文字になっている、というしろものです。受信した時点で家人がその旨を名張市立図書館に電話したところ、「クイズ日本人の質問」スタッフから問い合わせがあり、一度電話が欲しいと依頼があったとのことでした。そこで私は先方から指定された電話番号をプッシュしました。
 ピポパプペピポポパペポ。
 以下あすにつづきます。こんなものをつづけてどうする、とは思うのですが。

 ■皆様
 「クイズ日本人の質問」の件、ノーネーム様からのご教示によって、天をも怖れぬガセネタであったことが判明いたしました。重々お詫びを申しあげます。平身低頭、恐惶頓首。


No.179 (2001/08/16 22:08) title:クイズ大人の小学校
Name:ノーネーム ()

先程(8月16日、21:00〜22:00)NHKテレビ「クイズ大人の小学校」を見ていたら、ラストに中様がおっしゃっていた、乱歩のラーメン屋の問題が出ていました。
「クイズ日本人の質問」ではなかったのですね。
資料的なことはまったく出てきませんでした。


No.178 (2001/08/16 21:10) title:日本(児童文学大系,古書通信)
Name:金光寛峯 ()
Email:KFF02766@nifty.ne.jp

中さん、こんばんわ。
日本児童文学大系のこと:
> お知らせ感謝いたします。版元に問い合わせても不明、ということがわかって、いっそすっきり
>いたしました。手も足も出ませんので、とりあえず「セット販売、価格不明」ということにしてお
>きます。セット販売だから月報なんてなかっただろうと、こちらもとりあえずそういうことにして
>おきたいと思います。
あんなものでも参考になったのでしたら、儲けものでした。

さておいて。
「日本古書通信」8月号には同誌名物企画(?) 古書番付が。今回は探偵・推理小説版。乱歩は堂々と
したものですが、個人的には中菱一夫(平井呈一)『真夜中の檻』が前頭なのに驚きました。そんな
に人気があったのか…
このリスト面白いですねぇ。「よし、これ全部集めるぞ」と熱くなる猟書派もいるのでしょうか。
管理人さま、ぜひデータベースに登録されては?


No.177 (2001/08/16 17:01) title:少年版『幽霊塔』
Name:森 英俊 ()
URL:http://www.tcn-catv.ne.jp/~mystery/top.html

末永さん

 九鬼紫郎の件、ご教示ありがとうございました。伝奇時代物は手の届く
値段の範囲内でぼちぼち集めていますが、まだ道のりは長そうですね。現
代物よりはリーダビリティがあればよいのですが。

中さん

 少年向けの『幽霊塔』といえば、小学館の学習雑誌『中学生の友』の
1956年4月号の付録〈中学生新書3〉が乱歩の『幽霊塔』になっています。
長さからいって完全にリライトのようですが、講談社版と同じテキストか
どうかは、後者を持っていないのでなんともいえません。
 ちなみに付録のほうは「それは今から四十年あまりも昔、大正のはじめの
できごとである」で始まり、「幽霊塔の鐘は、それからのち、ひときわさえ
た音色を大空にひびかせて、鳴りわたるのだった」で終わります。


No.176 (2001/08/16 08:02) title:少年探偵江戸川乱歩全集怒濤篇を終えて
Name:中 相作 ()
Email:stako@e-net.or.jp
URL:http://www.e-net.or.jp/user/stako/frameset.html

 ■喜国雅彦様、岩堀様、森英俊様
 どうもありがとうございます。あまり時間がありませんので、また明朝、あらためてご挨拶を申しあげることにいたします。それでは。


No.175 (2001/08/16 07:56) title:少年探偵江戸川乱歩全集怒濤篇その三
Name:中 相作 ()
Email:stako@e-net.or.jp
URL:http://www.e-net.or.jp/user/stako/frameset.html

 ▼少年探偵江戸川乱歩全集の厚さの差について
 少年探偵江戸川乱歩全集は、ある時期まではソフトカバーで刊行されていたようですが、判型やページ数に変更はないと思われます。
 手許に『怪奇四十面相』の三版(昭和二十八年)と十版(昭和三十一年)があるのですが、両者の本の厚さ(のことを一般に、束、と呼びます。つか、と読みます)は歴然と異なっています。万さんの表現に従うならば一・五センチと二・五センチの差があるのですが、この差は本文用紙の厚さの違いによって生じたもので、ほかに違いはありません。
 ご参考までに、ソフトカバー版で所蔵していらっしゃる『大金塊』と『青銅の魔人』、上のリストと一部重複しますが、ハードカバー版のデータを掲げておきます。

大金塊  少年探偵江戸川乱歩全集4
 【発行日】昭和二十四年六月二十日
 【体裁】B6判 カバー 一九七頁
 【意匠】装幀・挿絵:松野一夫
 【内容】大金塊
 【典拠】十七版(昭和三十一年六月二十日、一二〇円)

青銅の魔人  少年探偵江戸川乱歩全集5
 【発行日】昭和二十四年六月二十日
 【体裁】B6判 カバー 二〇二頁
 【意匠】装幀:松野一夫 挿絵:山川惣治
 【内容】青銅の魔人/小林少年のこと
 【典拠】十六版(昭和三十一年四月五日、一二〇円)

 それでは、ソフトカバーからハードカバーにマイナーチェンジが行われたのはいつのことであったのか。そんなことが正確にわかるわけはないのですが、昭和二十九年十二月の『鉄塔の怪人』まで、ソフトカバー版の存在が確認できるようです。
 手許にある初版即ハードカバー本のもっとも古いのは昭和三十年十二月の『海底の魔術師』ですから、どうやら昭和三十年ごろを境として、新刊や増刷分がハードカバーに切り替えられていったものと考えられます。

 ▼少年探偵団全集
 ついでにお知らせしておきますと、光文社は昭和三十六年になって少年探偵江戸川乱歩全集のリニューアルを図ったらしく、その名も「少年探偵団全集」の刊行を始めました。
 上記の二十三巻に『電人M』『妖星人R』『超人ニコラ』の三巻を加え、乱歩の少年ものをすべてカバーする陣立てが構想されていましたが、この全集は五巻までで杜絶しています。理由はよくわかりません。

 以上、たたたーっと調べた結果をお知らせ申しあげます。何かありましたらまたお問い合わせください。


No.174 (2001/08/16 07:54) title:少年探偵江戸川乱歩全集怒濤篇その二
Name:中 相作 ()
Email:stako@e-net.or.jp
URL:http://www.e-net.or.jp/user/stako/frameset.html

 ▼少年探偵江戸川乱歩全集
 さて、『怪人二十面相』から『虎の牙』まで、上記六作があとになって「少年探偵江戸川乱歩全集」の1から6としてリニューアルされるのですが、それに際して奥付に操作が加えられています。つまり六冊すべて、過去に遡って初版発行日が設定されている、ということです。
 全集版の初版発行日が単行本および痛快文庫版のどれを踏襲しているのかを示すと、次のようになります。

 『怪人二十面相』『少年探偵団』 → 単行本『少年探偵団』の発行日
 『妖怪博士』 → 単行本『妖怪博士』の発行日
 『大金塊』『青銅の魔人』 → 痛快文庫『大金塊』の発行日
 『虎の牙』 → 痛快文庫『青銅の魔人』の発行日

 ですから矛盾が生じてきて、たとえば『虎の牙』は、初刊本(少年探偵全集)発行が昭和二十五年十二月一日なのですが、少年探偵江戸川乱歩全集6『虎の牙』(十四版)の奥付では昭和二十四年十一月五日に初版が発行されたことになっています。この作品が「少年」に連載されたのは昭和二十五年のことですから、前年十一月に本が出ていたはずはありません。
 といったことを前置きしたうえで、少年探偵江戸川乱歩全集のタイトルと発行日を以下に列記します。装幀と挿画のデータも加えます(装幀というのはこの場合、要するにカバー画のことです)。

怪人二十面相  少年探偵江戸川乱歩全集1
 昭和二十二年七月五日  装幀:松野一夫 挿絵:伊勢田邦彦

少年探偵団  少年探偵江戸川乱歩全集2
 昭和二十二年七月五日  装幀:松野一夫 挿絵:伊勢田邦彦

妖怪博士  少年探偵江戸川乱歩全集3
 昭和二十三年四月二十日  装幀:松野一夫 挿絵:伊勢田邦彦

大金塊  少年探偵江戸川乱歩全集4
 昭和二十四年六月二十日  装幀・挿絵:松野一夫

青銅の魔人  少年探偵江戸川乱歩全集5
 昭和二十四年六月二十日  装幀:松野一夫 挿絵:山川惣治

虎の牙  少年探偵江戸川乱歩全集6
 昭和二十四年十一月五日  装幀:松野一夫 挿絵:山川惣治

透明怪人  少年探偵江戸川乱歩全集7
 昭和二十六年十二月二十日  装幀:松野一夫 挿絵:梁川剛一

怪奇四十面相  少年探偵江戸川乱歩全集8
 昭和二十七年十一月十五日  装幀:松野一夫 挿絵:伊勢田邦彦

宇宙怪人  少年探偵江戸川乱歩全集9
 昭和二十八年十二月五日  装幀:松野一夫 挿絵:梁川剛一

鉄塔の怪人  少年探偵江戸川乱歩全集10
 昭和二十九年十二月二十日  装幀:松野一夫 挿絵:梁川剛一

海底の魔術師  少年探偵江戸川乱歩全集11
 昭和三十年十二月一日  装幀:松野一夫 挿絵:谷俊彦

灰色の巨人  少年探偵江戸川乱歩全集12
 昭和三十年十二月一日  装幀:松野一夫 挿絵:中村猛男

天空の魔人  少年探偵江戸川乱歩全集13
 昭和三十一年九月一日  装幀:松野一夫 挿絵:古賀亜十夫

魔法博士  少年探偵江戸川乱歩全集14
 昭和三十一年十一月二十日  装幀:松野一夫 挿絵:古賀亜十夫

黄金豹  少年探偵江戸川乱歩全集15
 昭和三十一年十一月二十日  装幀:松野一夫 挿絵:中村猛男

妖人ゴング  少年探偵江戸川乱歩全集16
 昭和三十二年十一月十五日  装釘:松野一夫 挿絵:白井哲

サーカスの怪人 少年探偵江戸川乱歩全集17
 昭和三十二年十一月十五日  装釘:松野一夫 挿絵:中村猛男

魔法人形  少年探偵江戸川乱歩全集18
 昭和三十二年十一月十五日  装釘:松野一夫 挿絵:石原豪人

夜光人間  少年探偵江戸川乱歩全集19
 昭和三十三年十二月五日  装丁:松野一夫 挿絵:岩井泰三

奇面城の秘密  少年探偵江戸川乱歩全集20
 昭和三十三年十二月五日  装丁:松野一夫 挿絵:中村猛男

塔上の奇術師  少年探偵江戸川乱歩全集21
 昭和三十三年十二月五日  装丁:松野一夫 挿絵:石原豪人

仮面の恐怖王  少年探偵江戸川乱歩全集22
 昭和三十四年十一月三十日  装丁:松野一夫 挿絵:中村猛男

鉄人Q  少年探偵江戸川乱歩全集23
 昭和三十五年九月十日  装丁:松野一夫 挿絵:深尾徹哉

 以上、この全集は全二十三巻です。
 念のために再度申しておきますと、上記のうち『怪人二十面相』から『虎の牙』までの六冊は、少年探偵江戸川乱歩全集版の初版というものは存在しないはずです。


No.173 (2001/08/16 07:53) title:少年探偵江戸川乱歩全集怒濤篇その一
Name:中 相作 ()
Email:stako@e-net.or.jp
URL:http://www.e-net.or.jp/user/stako/frameset.html

 文章量が多すぎて一度に送信できません。分割してお送りいたします。

 ■万国博様
 というお名前は、はたしてご本名なのでしょうか。いやそんなことはどうでもよろしいのですが、お尋ねの件、怒濤の勢いで調べてみました。といったって、実際にはデータベースソフトを操作するだけの話です。調べはすぐにつきました。判明したところを記します。

 ▼少年探偵団シリーズ
 まず乱歩の少年ものについて確認しておきますと、戦前には四作が大日本雄弁会講談社から刊行されています。『怪人二十面相』『少年探偵団』『妖怪博士』『大金塊』の四冊です。
 戦後は、昭和二十四年に「少年」(光文社から出ていた月刊誌)に連載された「青銅の魔人」で少年ものの執筆が再開され、戦前の四作も含めて光文社から本が出されるようになりました。
 戦後まもないころの刊行分は次のとおりです。ご所望の装幀・挿画のデータもあわせてお知らせします。

怪人二十面相
 昭和二十二年六月五日

少年探偵団
 昭和二十二年七月五日  挿絵:梁川剛一

妖怪博士
 昭和二十三年四月二十日

大金塊  痛快文庫
 昭和二十四年六月二十日  画:松野一夫

青銅の魔人  痛快文庫
 昭和二十四年十一月五日  装幀:松野一夫 挿絵:山川惣治

虎の牙  少年探偵全集2
 昭和二十五年十二月一日  装幀:中尾進 挿絵:山川惣治

 ▼痛快文庫
 上のリストのうち『怪人二十面相』『少年探偵団』『妖怪博士』は、初版ではどこにも「痛快文庫」と書かれていないのですが、あとになって痛快文庫に組み入れられたようで、『怪人二十面相』から『青銅の魔人』までの五冊が痛快文庫に入っていたことが、同文庫のリストを掲げた広告から知られます。
 『怪人二十面相』初版の表紙は、下記のページでご覧いただけます。

 http://pro3.project.mnc.waseda.ac.jp/sobun/e/ee004/ee004a04.htm

 当方の手許には『怪人二十面相』の重版(昭和二十三年六月)があるのですが、この表紙には「痛快文庫」と印刷されています。したがって、痛快文庫の創設は昭和二十三年六月以前で、ただし『妖怪博士』初版が出た同年四月までは遡らない、といったあたりではないかと考えられます。
 造本はいずれもソフトカバーです。

 ▼少年探偵全集
 上記の六冊目、『虎の牙』が入った「少年探偵全集」は乱歩単独のシリーズではなく、ラインアップは1が島田一男『怪人緑ぐも』、2が『虎の牙』、3が香山滋『Z・9』であったことが、やはり広告から知られます。


No.172 (2001/08/15 20:21) title:アガサ・クリスティー読本
Name:森 英俊 ()

中さん

 『アガサ・クリスティー読本』はもともとH・R・F・キーティング
が編集した Agatha Christie: First Lady of Crime(1977)が元本で、
これに出版元の早川書房が日本作家の文章(乱歩)などを加えたもので
す。新版では、クリスティー作品の登場人物事典や書誌部分などに、
増補改訂があります。


No.171 (2001/08/15 19:38) title:北宋社、「一寸法師」
Name:岩堀 ()
Email:dc8y-iwhr@asahi-net.or.jp


 中さんの乱歩文献関連でで北宋社が少し出ていましたが・・・

 過日、高橋康雄「(キネマ 浅草コスモス座)乱歩」(北宋社)
 という本を読みました。乱歩を中心に据えて、浅草を愛した人々と
 その時代を描いたものです。

 中に乱歩の「一寸法師」の事が出てくるのですが、この作品について、
 「・・・素材がグロテスクということで、少なからず読者の顰蹙を買って
 しまった・・・」「乱歩の休筆は『一寸法師』が反感を買ったというばかり
 ではなかった。・・・」という記述が出ていました。

 私は、乱歩が「一寸法師」を書いた後で、自己嫌悪に陥ったのは事実でも、
 作品そのものは概ね好評であったと理解していますが、果たして上のような
 事実もあったのでしょうか。気になりだすと、小骨が喉に引っかかったよう
 な感じです。どなたか、スパッとした見解お持ちではありませんか。

 本日で、お盆休み終了ですが、今年は二階堂さん「人狼城の恐怖」
 4部作読みました。後書きに「世界最長の本格推理小説」と書かれていますが、
 正味・連続4日で読了は本邦での最短記録ではないかと一人で満足しています。
 一気呵成の読み方は、二階堂さんの意図には必ずしもそぐわないかもしれま
 せんが、私は良かったと思っています。大変面白かったですから・・・。

 
 

 
 


No.170 (2001/08/15 09:33) title:抜けとか間違いとか
Name:喜国雅彦 ()

 中さん
 調べ物に必ず抜けがある喜国でごんす。
『紅い花 青い花』 昭和五十三年七月二十日発行
『幻想飛行機』   昭和五十四年九月一日発行

 
江戸川乱歩集  昭和国民文学全集13
 【発行日】昭和四十八年七月二十五日(初版第一刷)
 【発行所】筑摩書房
 【体裁】B6判 函 四七四頁 一丁
 【意匠】装画:村上芳正 
 【定価】九八〇円
 【内容】
 孤島の鬼/パノラマ島奇談/陰獣/芋虫/押絵と旅する男/石榴/月と手袋/防空壕/堀越捜査一課長殿
 江戸川乱歩年譜:中島河太郎/解説:福永武彦
 【月報】 昭和国民文学全集付録3(八頁)
 私の見た作家たち:和田芳恵/大衆文学逸史3 江戸川乱歩の交友:尾崎秀樹
 【備考】昭和五十二年十二月に増補新版  「装幀:村上豊」

 すみません。装幀者が同じと書きましたが、同じ村上性だったために間違えていました。冷や汗冷や汗。
元版の方は 装画:村上芳正 
増補版は  装幀:村上豊  となっております。
どちらも1人仕事なのに、なぜ「装画」「装幀」と、使い分けているのやら。それからこの2人は全くの他人なのかしら。作風は全く違うけれど、親子とか。

 こりゃもう、中さんが我が家に来て調べてもらった方が、早そうですね(笑)


No.169 (2001/08/15 07:43) title:お礼あれこれ
Name:中 相作 ()
Email:stako@e-net.or.jp
URL:http://www.e-net.or.jp/user/stako/frameset.html

 お盆だと申しますのにお盆休みもあらばこそ。
 きのうなど一日まるまる時間があきましたので一日まるまる乱歩著書目録のデータ整理に没頭したのですが、講談社「江戸川乱歩推理文庫」全六十五巻、データベースソフトに入力したデータと原本をつきあわせて間違いがないかどうかを確認するだけで日が暮れました。いや、実際には日が暮れるまでにビールを飲んでおりましたが、いずれにしてもじつに味気ない日常だという気がいたします。

 ■森英俊様
 ご親切にありがとうございます。『アガサ・クリスティー読本』は手許にありません。いずれお訊きしようと考えておりました。とりあえず判明しているのは下記のようなことです。

アガサ・クリスティー読本
 【発行日】昭和五十三年(1978)十二月二十五日(初版)
 【発行所】早川書房
 【著】H・R・F・キーティング他
 【収録】クリスティーに脱帽
 【備考】平成二年九月に新装版

新版アガサ・クリスティー読本
 【発行日】平成二年(1990)九月三十日(新装版)
 【発行所】早川書房
 【著】H・R・F・キーティング他
 【収録】クリスティーに脱帽
 【備考】新装版。旧版は昭和五十三年十二月刊

 後者は、正確には「改訂増補版」なのでしょうか。また、編者名は記載されておりませんでしょうか。ご確認いただければ助かります。

 ■喜国雅彦様
 さっそくのお知らせ、ありがとうございます。
 ▽少年版江戸川乱歩選集  『幽霊塔』が「6」だということは、最初の版には見られなかった巻数の表示が改装版ではなされていると、そういうことになります。そんなこんなで、なんだか難儀な改装版です。
 ▽イメージの文学誌  ほんとにしつこくて申し訳ありません。『紅い花 青い花』と『幻想飛行機』、いまだ発行日が判明しておりません。よろしくお願いいたします。
 ▽ポピュラー・ブックス  5月発行という当方のデータはあまりあてになりません(二十五巻本の講談社版全集に収録された乱歩の著書目録から拾いました)。3月1日発行が正しいはずです。ナカグロの有無までちゃんとご確認いただいて、感謝に堪えません。
 ▽日本児童文学大系  金光さんからもお知らせいただきましたが、ご賢察のとおり「セット販売のみだった」みたいです。こうなると手も足も出ません。
 ▽昭和国民文学全集  月報はなかった。そういうことにいたします。これはもう確実になかったはずです。なかったなかった絶対なかった。ところで、お恥ずかしい話ながら、初版のほうもご所蔵でしたら、下記のデータをご確認いただけませんでしょうか。

江戸川乱歩集  昭和国民文学全集13
 【発行日】昭和四十八年七月二十五日(初版第一刷)
 【発行所】筑摩書房
 【体裁】B6判 函 四七四頁 一丁
 【意匠】装画:村上芳正 装幀:村上豊
 【定価】九八〇円
 【内容】
 孤島の鬼/パノラマ島奇談/陰獣/芋虫/押絵と旅する男/石榴/月と手袋/防空壕/堀越捜査一課長殿
 江戸川乱歩年譜:中島河太郎/解説:福永武彦
 【月報】 昭和国民文学全集付録3(八頁)
 私の見た作家たち:和田芳恵/大衆文学逸史3 江戸川乱歩の交友:尾崎秀樹
 【備考】昭和五十二年十二月に増補新版

 なんやかんやとお願いして、ほんとにどうも申し訳ありません。お暇なときによろしくお願いいたします。

 ■平山雄一様
 相変わらずお世話になっております。おたよりはまだ到着いたしませんが、お手数をおかけしたロシアのお嬢さんによろしくお伝えください。

 ■金光寛峯様
 お知らせ感謝いたします。版元に問い合わせても不明、ということがわかって、いっそすっきりいたしました。手も足も出ませんので、とりあえず「セット販売、価格不明」ということにしておきます。セット販売だから月報なんてなかっただろうと、こちらもとりあえずそういうことにしておきたいと思います。

 ■末永昭二様
 ご教示、参考になりました。しかし「親本」という言葉を使用することには、何かひっかかりを覚えてしまいます。もうちょっと考えてみます。

 ■万国博様
 お尋ねの件、光文社の「少年探偵江戸川乱歩全集」についてはある程度くわしいことがわかるのですが、関連データを整理照合しなければなりません。少し時間が必要です。日を改めてお知らせします。しばらくお待ちください。


No.168 (2001/08/15 03:20) title:いろいろ御礼
Name:芦辺 拓 ()
URL:http://ashibe.hoops.ne.jp/

>小林文庫オーナー様

 11日は楽しい「黒猫荘」オフ会をありがとうございました。唐突にお邪魔したにもかかわらず、歓待していただきまして感激でした。あのとき頂戴したムック『少年画報大全』を手元に置いてニヤついております。昭和30年代までの少年漫画のパワーにわくわくさせられ、中でも『ビリーパック』(僕は昭和53年ごろに復刻版で読んだ口ですが)はいいなあ、これ何とかリバイバルできんかなあと夢想したりしました。

 そして、あの……「新本格著書リスト」、当方の要らぬ差し出口にもかかわらず、さっそく更新いただきまして大汗をかいております。実際、ここに書名が掲載されてやっと一つの仕事が完結した気がするのです。本当にいろいろありがとうございました!


No.167 (2001/08/15 02:41) title:光文社版「少年探偵・江戸川乱歩全集」のことについて教えてください
Name:万 国博 ()
Email:phantasm@rnac.ne.jp

皆様初めまして。
私松野一夫の表紙絵が大好きで、光文社の江戸川乱歩「少年探偵」シリーズを収集
しております。
さて、集めていて気がついたのですが、この辺のシリーズは、私が知る限り3種類
程出版されていたようですが、それぞれの装丁や挿絵画家の違い、何巻まで出たの
か、そして、その位置付けなど、どなたか詳しくご存知の方おられませんでしょう
か?

(1)痛快文庫
★所持していないので、どんなものかまったくもって持って不明です。
どこかで見た写真には(「大金塊」だったと思います)、(2)のシリーズの
表紙の番号の所に「痛快文庫」と書いてあリました。それのことでしょうか?
こちらはハードカバー出来なのでしょうか?それともソフトカバー出来?
これまで幾つかの古書店の目録で見かけたことがありましたが、注文すると大体
売り切れ、いつもショックを受けています。  

(2)少年探偵江戸川乱歩全集(ハードカバー版:厚さ約2.5Cm)
★「妖怪博士」「怪奇四十面相」「灰色の巨人」「サーカスの怪人」の3冊を持っ
ています。
この辺は、多くの本やHPに豊富なデータが掲載されておりますね。
雑誌などの乱歩特集でよく写真が載ります。

(3)少年探偵江戸川乱歩全集(ソフトカバー版:厚さ約1.5Cm)
★「大金塊」「青銅の魔人」を持っておりますが、いずれも昭和26年発行の第6
版で、この時点で、本の中の広告のリストには第5巻「青銅の魔人」まででした。
なにせ、古書店に注文して届いたのがこれだったのでびっくり、「これは、光文社
のポプラ社文庫みたいなものか!?」とまじまじと見てしまいました。
その後色々な所を調べてみたのですが、このソフトカバー版なる存在について書か
れてはおりませんでした。一見表紙は(2)のシリーズと同じなのですが、単にこ
のシリーズは本の厚さが薄いだけなのでしょうか?中身的には(1)や(2)と違
いはないのでしょうか?
重複したタイトルを持っていませんので、中身まで比較は出来ず、謎だらけで悔し
いの一言です。

そういえば、「大金塊」は、カバー絵だけでなく、中身の挿絵も松野一夫でしたが、
他のタイトルも松野一夫が挿絵を描いた物があるのでしょうか?

図々しくお願いして申し訳ございませんが、どうぞよろしくお願い致します。


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