さっき梁取三義の『二等兵物語』を引っ張り出して(朝っぱらから何やってるんだ)見たら、いきなり雑誌社経営の話が。
水谷準や本位田準一の名前が出ていました。マジメに読んでおけばよかったと反省してます。
喜国さん、小説推理の今月号、「カ」でおわっていたので、一人,悩んでいます。
終わり方が気になりました。
はじめにページをめくり,読み始めますので、次号が待ちきれず、どうしてもききたくて、この機会に訊きますこと,お許しください。
このところ、目録がすくなくて、これもまた、古書界の現状なのでしょうか、そこにかかれていましたように、一軒一軒、古書店をまわりたくなります。
慰問雑誌の話題が出ていますが、常々考えていることが一つ。
『もし自分が生きているのが戦時下で、「戦意高揚マンガ」しか描かせてもらえなかったら、果たして自分はどうしたであろうか』
ひねくれモノなので「こういうのは駄目だ」「こういうのを描け」と言われるならきっと描いてないでしょうけど、それしか生活の手段がなかったとしたら……いや、やっぱり描いてないですね。
「戦争が」の前に、「言われた通りにするのが」、大嫌いな人間ですから。
ここはやっぱり乱歩にならって、芋をかじりながら、自分の『貼雑年譜』を作りつつ、終戦を待つことにしましょう。
小林さん、「戦線文庫」「くろがね叢書」も登場して、これは、またすごいことになりました。
末永さんの解説で、一層、理解できました、「慰問用」の雑誌、私も所有しています。そのなかの一冊は手紙代わりに使用されていました。
上のものは密かに入手していましたので、収集困難さが増してきそうです。本当に、大阪さんや他の作家が突然あられてきそうな予感のする叢書群ですね。
>ある目録には、「戦線文庫」が沢山出ていて、私の欲しい号もあるのです
そうです、魅力的です。
>「くろがね叢書」
彩古さんがかかれていましたが、これにも魅力的な作品リストがあります。
例えば、『明朗小説集』(昭和16年読物と講談社)という「慰問読物タイプ」のアンソロジーがありますが、収録されている作家をあげると、帯屋清三郎、小島健三、山田為保、深海泡浪、蒲原拓三、北島洋三、安田幸二、梅川浩、安井善三郎、南山総太郎、淡路慕潮といった面々で、私が素性を確認できるのは小島健三くらいのものです(他に有名な人がいたらごめんなさい)。これらの何だかわからない小説家たちがどういった人たちだったのか、戦後どうなったのかが妙に気になっています。
これらの人々は、ほとんど戦後には姿を消しているようです(名前を変えている可能性はありますが)。かと言って、戦前のエログロナンセンス時代(昭和一桁)の雑誌でも名前を見ないような気がします。
ということから、「この時期には、戦前とも戦後とも断絶した一群の作家が結構派手に活躍していたが、記録が残っていないので忘れられているのではないか」と妄想しているわけです。まったくの妄想かもしれないので、それこそ話半分にしてほしいのですが。でも、『戦線文庫』などのメジャーではない戦中の小型雑誌って、ほとんど知らない「小説家」ばかりで「日本にはこんなに小説家がいたのか」と驚くばかりです。
例えば、久生十蘭のバッタもんである「久野九蘭」(たしか都筑さんが言及してましたね)などというワケのわからない作家(作風は似ても似つかないですが)なんかは、この時期だけに現れる徒花のようです。戦後の『読物と講談』にも参加していませんし。
こういった作家のやって来たことは一体何だったのかというのを発掘していきたいですね。ちょっと妄想が入ってしまいましたが、これが妄想であるかどうかを確かめるためにも、せっせとブツを買わなきゃならないです。われながら因果な話です。
長くなってしまいました。お退屈様です。
『実話と講談』という雑誌を出していた「大衆文芸社」という会社のことです(昭和17年ごろ)。発行人が「梁取光義」で、「主宰」とみんなから呼ばれています。もちろん「梁取三義」名で一人でいくつもの記事を書いています。「大衆文芸社」自体はもっと昔からあったし、戦後にも残っていたので、全部が梁取関係かどうかはわかりませんが、少なくとも17年ごろには梁取がイニシアチブをとっていたと考えられます。
そこに、同社の出版物の広告があるのですが、それがどれも聞いたことのない本です。例えば、穂積驚が本名(森健二)で書いているものなど。もちろん慰問専用に作られたものではないのですが、当時の雑誌や単行本は、「読み終わったら慰問袋に入れましょう」というスローガンがよく書かれていましたから、慰問用途ももちろんあったわけです。ここらへんの事情が知りたくて、穂積驚の饅頭本を買ったりしたのですが、戦中のことはよくわからなかったです。
城戸禮の自伝にもあるのですが、戦中の「暗い」時代、その反動として明るい銃後読物が求められたようで、現在名前の残っていないいろいろなライターがいたようです。(つづく)
No.1076 岩堀 さん
宣言どおり、定期的に書き込んでいただき、ありがとうございます。
心の安らぐのは、岩堀さんの投稿だけです。(笑)
> 私が小林文庫を知ったのは2年前です。その頃は麻耶雄嵩の作品について
> の議論など盛んで、ビギナーでも加われたのですが、最近は古書に関する
> かなりマニアックな話が多くて、もし私が今知ったならばこの「敷居の高さ」
> をクリア出来ないと退散していたかもしれません。
> たまには作品論なども出てきて欲しいなあとは思いますが、「お前がやれ!」と
> 言われると困ってしまう身勝手な私です(^o^)。
流れに任せていたら、いつのまにかこんな(笑)掲示板になってしまいました。
確かに、初めての方は入り込む余地が無いかも。
須川さんの購入報告が有ったと思ったら、新発見だものなぁ。
生半可な本を買っても、書き込めないですよね(苦笑)
「敷居の高さ」論については、少し整理して後ほど書きたいと思います。
> 神奈川県立近代文学館の手前に外人墓地がありますが、そこに明治の指紋小説
> で有名な快楽亭ブラックの墓がありますよ(案内板あり)。
> 外人墓地は常時公開ではありませんが、休日は大体開いているようですから、
> お寄りになってみてはいかがですか。
ありがとうございます。
私が神奈川県立近代文学館に行く時のコースは、石川町駅で下車して、元町を散策、港の見える丘公園を登って、行きます。
帰りは、外人墓地横の坂道を下ってくる、と言う観光気分も味わえるコースです。
外人墓地には入った事はないので、今度は行ってみますね。
時間があれば、中華街にも言ってみたいのですが。 (良いコースでしょ、お勧めですよ)
3月中はいけそうも無いので、桜の時期に行ければ最高ですね。
彩古 さん
うぅーん、シンクロニシティですかね。
渡辺啓助さん100歳展から始まっている(筈)の話題が、慰問雑誌の書誌にまで発展してしまいました。
たまたま、私も「くろがね叢書」を1冊だけ持っています。
手もとのメモによると、昭和18年12月発行 第13輯です。
と言う事は、ちゃんと月刊で出ていたようですね。
収録作については、またあとで書きこみます。
No.1071 芦辺 拓 さん
> 小生編集の〈幻の名作〉、小栗虫太郎の「悪霊」に笹沢左保氏の続作をつけて復刻するアイデア、日下三蔵氏に先取りされてしまいましたので、
> ご破算でございます。さて、そのかわりの企画とは?
各所でそんな企画が重複するとは、ミステリーファンとしては夢のようですね!!
嬉しい悲鳴です!!
芦辺拓 さんの企画も、期待して待っています。
『時の密室』は、地元の本屋ではまだ見かけません。 必ず購入します。
No.1070 末永昭二 さん
> 前線慰問用の出版には、今回のように普通の文庫本そのままのものと、特に慰問用に編集されたものがあります。どっちかというと後者に興味が
> あります。(当たり前ですね)。
> 『くろがね叢書』や『戦線文庫』など、ブツさえ見つかればいくらでも新発見がありそうです。『戦線文庫』の興亜日本社なんて、どんな単行本を出し
> ていたのか、全貌が知りたいです。以前、十蘭掲載号を買いのがしたのが残念(たぶん顎十郎の再録なのでしょうが)。
> それから、戦中に梁取三義が主宰して出していた娯楽本なんて、雑誌広告は見るものの、国会図書館にも出版年鑑にも「1冊も!」記録が残って
> いません。
「戦中に梁取三義が主宰して出していた娯楽本」って、何ですか?
慰問用の春陽文庫を発行していたのが、陸軍恤兵部。
「陣中読物」を発行していたのも、陸軍恤兵部。
これに対して、「くろがね叢書」を出していたのが、海軍恤兵部ですね。
これだけでも、面白いテーマになりそう。
(ところで、「恤兵部」って、どう読むのですか!?)
くろがね会は大阪圭吉も加入していたので、ちょっと興味のある所なのです。
(私の場合、総てそこから始まる… (~_~;) )
「戦線文庫」には、大阪圭吉も紀行文などを掲載しているので、探していますが、確かに見かけないですね。
(ところで、「戦線文庫」って普通の雑誌では無いのですか?)
小栗虫太郎の書誌の件で投稿していただいた「書肆風狂」さんの目録には、「戦線文庫」が沢山出ていて、私の欲しい号もあるのですが、私ごときでは手の出せない値段になっています。
「くろがね叢書」については、彩古さんも登場されたので、また後ほど。
> というわけで、面白いテーマなのですが、難しそうですね。誰かがきっちり調べてくれたのをゆっくり読んで楽しみたいです。
何をおっしゃっているのですか! 末永さんがやらなくて、誰がやるのですか!
期待してますよぉ。
No.1074、1079 平山雄一 さん
はじめまして。
「敷居が高くて書き込みにくい」と評判の(笑)、当掲示板に登場ありがとうございます。
HP拝見しました。
山中峯太郎の書誌を作っていらっしゃるのですか?
これは凄いです。
HPを存じ上げなかった事が、恥ずかしいです。
> >岩波文庫にあるというのが、どなたかの書物エッセイにありましたね。
> 私のような浅学がの徒が発言するのもナンですが、たまたま読んでいたシャーロック・ホームズ遊々学々」でこうありましたのでご報告します。
>
> 僕の手元に菊池武一訳の『シャーロック・ホームズの冒険』(岩波文庫昭和十四年刋第五版)がある。本書には”赤い腰巻き”がついていて、そこ
> には”慰問袋に岩波文庫!”というキャプションと本を読んでいる兵隊さんのイラストが載っている”
情報ありがとうございます。
その「赤い腰巻き」と言うのは、見てみたいですね。
昭和十四年(刋)と言うのは、慰問袋には早すぎるような気もしますが、どうなのでしょうか?
戦前のアンソロジーというのは、これまた情報がないので、野村宏平さんの研究に期待しているのですが、知られていない本が多そうですね。
桜さん所有の、啓徳社版国民明朗文庫『傑作スパイ小説集』大井忠編(昭和16.10.18発行)も、聞いた事の無い作家と面白そうな作品多くて、興味深いですね。
山中峰太郎の作品が無かったのは、残念でした。
似たようなタイトルの本で、私が探しているものに、
『スパイ小説名作選』(歓喜力行文庫)三邦出版社 s16.7頃
と言うのがあります。
これには、大阪圭吉の作品が収録されているはずです。(こればっかり)
他の収録作は、チョットわかりません。(ゴメンナサイ)
国会図書館には所蔵しているようなので、一度は閲覧に行かなければならないのですが。
折角登場していただいたので、これからもよろしくお願い致します。
『書物と人物』森銑三(熊谷書房)を、ネット古書店より購入してしまいました。
この時代の本としては、造本、装丁ともしっかりした、良い本でした。
初版発行部数2000部と有りましたが、図書館にもよく所蔵されていて、目録でも見かけるのが理解できる、愛蔵したくなるような本です。
この本と『近代女性の科学的教養』の書影を、「熊谷市郎出版リスト」に掲載しました。
No.1064 日下三蔵 さん
> title:敷居は高いですよ……
>
> もっとも、Kashibaさんには言われたくなかろうと
> 思いますが(笑)
kashibaさんも、もちろんですが、日下さんには、もっと言われたくないような気がしますが(笑)
> えー、著作権者の連絡先を調べて、担当者に渡したのは
> 私なのですが……。
ごめんなさい。
誰かを、非難しようとしたわけではないのですが…。 (;^_^;)
事情は、理解できました。
でも、「連絡先不明」とあると、行方不明になったような気がして、インパクトが強いんですけれど…。
No.1066 森 英俊 さん
> 扶桑社文庫の『加田伶太郎全集』を見ていて、かつて日本版「クイーンの
> 定員」なるものを選んでみよう、と試みたことがあるのを思い出しました。
これは、素晴らしい企画ですね!
「フェニックス」あたりに、掲載されたのでしょうか?
ラインナップは……、
ここ20年くらいの本は、基本中の基本で入手も易しそうですが、それ以外の本は物凄く入手困難ですね。
落差が大きすぎるような。(~_~;)
昭和3,40年代の本には、漏れているものが有りそうですね。
ミステリー初心者から中級マニア向けには、こういう企画こそ公になって欲しいですけれどね。
どこかの雑誌でやりませんか!?
(で、絶版の本は、森さんや、日下さん、芦辺さんに文庫化してもらうと…)
「SRの定員」(SRの会で選んだ短編集ベスト)など、読み直してみます。
No.1067 大塚 さん
おひさしぶりです。
> 「失楽園殺人事件」のときは、「春陽堂文庫」で出たばかりなのにどうしてと言う思いもあったのですが、(最後まで読んでください)
> 掲題の解説を読んで、このところの敷居の高さも含めて、氷解できました。
扶桑社文庫の「昭和ミステリー秘宝」は、読まれるべき基本書(でありながら、長らく絶版だった本)を復刊するという姿勢が共感できるのですが、そこに、マニアでも入手困難な作品を併載すると言う、絶妙なセレクトですね。
> これだったら、どんどん敷居が高くなってほしいなと言う感じ。
> がんばってください。
はい、同感ですね。
日下さん、頑張って下さい。 m(__)m
No.1069 須川 毅 さん
あの日下さんに「大ショック」と言わせる、新発見! ですか?
凄い!
あれだけ詳細な奥木さんのリストにも、漏れが有ったとは、驚きです!!
> >日下さん
> 本書は僕には豚に真珠です。次回お目に掛かった時に差し上げますので資料と
> して御活用下さい。従って、M4のままです。 (^○^)
ご立派です!!!
これも、日下さんの日頃の研鑚の賜物と思います。
遠慮なくいただいて、今後の研究に役立てて頂きたいと思います。(って、余計なおせっかいですね)
> 春陽文庫の市販品と同じものと思うのですが・・・春陽文庫や新潮文庫には
> 他にも慰問用が一杯あるんじゃないのか、というのが僕の前回の質問です。
> お持ちの方、名乗り出てくださいませ。
慰問用の春陽文庫については、『ニッポン文庫大全』の瀬名堯彦さん「春陽堂文庫考」に触れられていました。
「太平洋戦争下では、新刊の点数はかなり落ちたらしいが、一九年末ころまでは発行を続けられたようである。(中略)
陸軍恤兵部御用達で前線兵士慰問用に、半七、平次の捕物帖等は二万部、三万部と刊行されたといわれる。」
皆さま、お手元の春陽文庫を、もう一度ご確認下さい。
新発見かもしれませんよ(笑)
『くろがね叢書 第二十三輯』非売品
昭和19年10月25日印刷
昭和19年10月31日発行
編纂 海軍省外郭団体 社団法人くろがね会(会は旧字)
表紙 清水三重三
グラビア 映画物語「勝利の日まで」
漫画 杉征夫(征は木ヘン)
捕物小説 半七捕物帖「正雪の絵馬」「筆屋の娘」「吉良の脇差」岡本綺堂
探偵小説 「賢者の石」甲賀三郎
時代小説 「剣侠と赤穂義士たち」下村悦夫
表紙には「海軍用図書 海軍部外持出厳禁 不許部外配布閲読」とあり、
奥付には「本書は当部監修のもとに戦線海軍将兵尉恤のため、国民の寄せられたる
熱誠なる恤兵金を以って作製、配布するものであります」
とあります。
なにより、「毎月1回発行」ということですが、いったい何輯まで出ているのでしょうか。
翌年7月まで出ていたとしたら、32冊でしょうか。
シンクロニシティということなのかもしれませんが、3月2日の金曜日に
『くろがね叢書 第二十三集』を入手しています。
今日の夜、詳細を記そうかと思っています。
とりあえずは、連絡まで。
桜様、
お忙しいところありがとうございます。残念ながら峯太郎そのものはなかったようですが、実に興味深い執筆陣ですね。峯太郎はいろいろ別名でも書いていますが、いままで伝記等で判明している以外にも別名があったのではと推測しているので、心が休まりません。それ以上に無署名雑誌記事はあったと思います。月に一、二回しか図書館で調べられないのでほとんど進みませんが、できるかぎり峯太郎の作品を発掘していきたいと思っています。
末永様、
ホームページ訪問と激励のお言葉ありがとうございます。もし何かのおりに峯太郎と遭遇されましたら御一報くだされましたら幸いです。
平山雄一さん、啓徳社版国民明朗文庫『傑作スパイ小説集』大井忠編、昭和16.10.18発行,掲載リストです。掲載順に,左から右に,そして,下に行きます。
「匂ひの事件」蘭郁二郎、「南進兄弟」耶止説夫、「泳ぐ機械水雷」日ノ輪壷(亜が豆になる)彦、「大佐と理髪師」中村豹(右がには,獏の右がきます)、「昆虫夫人」南澤十七、「ソ連S八号(旧字)」橋爪彦七、「祖国の旗」大林清(旧字)、「港(左がない)の方向探知器」冬木憑、「功少年の防諜」大井忠、「嵐の要塞監獄」萬造寺龍
です。それぞれの作品は興味がわきます。
「加田伶太郎全集」の「お願い」の前のページには、
協力 弘隆社「彷書月刊」編集部
とあります。これは、「二十世紀鉄仮面」小栗虫太郎のほうにある、それに掲載された、4つのエッセイの再録という「協力」であるならば、なるほど、と思うのですが。前者に書かれている、注はどうなのでしょうか、気になりましたので。
ででいるようですが、どうしたもんでしょうね。私は、ここでしかできない話ができるので面白がって、勝手に「根城」にさせていただいているのですが。居心地はいいですし。
衆知を集めて資料を作るなんて、ネットがなければ大変な手間と時間がかかることが、すぐにできてしまう状況はホントにすごいです。
私自身古書をマジメに買い始めて10年ちょっとで、15年くらい前にはミステリの「ミ」の字も知らなかったし、サークルやグループにも入らず独りよがりな読書をしていたのですが、ここでオーナー様、桜様をはじめ皆様とやり取りしているうちに、自分が何をしているのかおぼろげながらわかってきましたし。大変にありがたいです。
岩堀様。
逆に、麻耶雄嵩の話だったら、私はまったくついていけないです(笑)。
でも、たまには作品論というのはいいですね。ただ、ここの皆さんの共通の話題となる作家って誰でしょうね(笑)。
それから、ブラックの作品は現在読めないので、どこかで作品集を出してほしいです。某所で企画はあったのですが、底本が揃わないので頓挫しました。
先日、SP盤を聴いたのですが、速記とおなじく「そいがこの……」という口調だったのに妙に感動しました。
平山様。
いつぞやはどうも。もちろん覚えています。
ホームページ拝見しました。知らなかったもので。すみません。
峯太郎についての反響、興味深く拝見しました。貴サイトが潜在的な峯太郎ファン(普段は気に止めてないけど、新刊が出たらぜひ買いたいという人)を発掘しているんですね。それが復刊にまで結びつくといいです。
私が小林文庫を知ったのは2年前です。その頃は麻耶雄嵩の作品について
の議論など盛んで、ビギナーでも加われたのですが、最近は古書に関する
かなりマニアックな話が多くて、もし私が今知ったならばこの「敷居の高さ」
はクリア出来ないと退散していたかもしれません。
たまには作品論なども出てきて欲しいなあとは思いますが、「お前がやれ!」と
言われると困ってしまう身勝手な私です(^o^)。
オーナー様
>近いうちに、神奈川県立、横浜市立、神奈川県立近代文学館 と、横浜の
>野毛山、山手の観光コースを通って、熊谷書房本探求に行ってみたいと
>思っています。
神奈川県立近代文学館の手前に外人墓地がありますが、そこに明治の指紋小説
で有名な快楽亭ブラックの墓がありますよ(案内板あり)。
外人墓地は常時公開ではありませんが、休日は大体開いているようですから、
お寄りになってみてはいかがですか。
平山雄一さん、今、家から離れて、ほかの処にいますので、明日に、啓徳社版国民明朗文庫『傑作スパイ小説集』大井忠編、昭和16.10.18発行での、作品ののこりを書きます。
『戦線文庫』、これも魅力的です、値段が高騰しています、3万という値段も見うけられます。
芦辺さんの問いかけられたもの、ある作家の少年ものの、島田さんが書きつがれたものが望みです。
皆さま、はじめまして。末松さん、日下さんとは中相作さんとの飲み会で同席させていただいたのですが、影が薄い人間なもので覚えていらっしゃるかどうか自信がありませんのでこう挨拶させていただきます。
>岩波文庫にあるというのが、どなたかの書物エッセイにありましたね。
私のような浅学がの徒が発言するのもナンですが、たまたま読んでいたシャーロック・ホームズ遊々学々」でこうありましたのでご報告します。
僕の手元に菊池武一訳の『シャーロック・ホームズの冒険』(岩波文庫昭和十四年刋第五版)がある。本書には”赤い腰巻き”がついていて、そこには”慰問袋に岩波文庫!”というキャプションと本を読んでいる兵隊さんのイラストが載っている”
特に慰問用につくったというのではなく、これを買っていれろ、ということでしょうから、特別珍しくもないでしょうが一応。
桜様
>・渡辺啓助「悪魔の刺繍」、キング(昭和15.5月)再録
>・蘭郁二郎「匂いの事件」、オール読物(昭和14.11月)再録
>以下,9名による9作、書き下ろしもある。
もしよろしければ他の7人の名前もお教えいただけないでしょうか。実は私、山中峯太郎について少々しらべております。スパイものなどのアンソロジーには峯太郎が入っていないかと気になりますので、お手数をおかけしてもうしわけございません。
「『新青年』趣味」で取り扱ったことがあるので、『渡辺啓助100』には収録しなかったのですが、なかなか異色な作品ですね。
昨夜は、徳間書店のパーティで「無装荷松前」論を書かれた大宮信光氏にお目にかかって「無装荷松前」についてお話をしたところでした。
戦時中は検閲などでがんじがらめになっていたというイメージがあるのですが、案外その眼をかいくぐって妙な出版物が出ているようですね。城戸禮の戦中作なんて、小栗虫太郎ばりの横文字ルビです。
意図的に検閲の裏をかいているようなものも面白いのですが、「図らずも」変な本が出てしまったというようなものってのも面白いですね。これは圧倒的に少ないですが、根気よく探してみるつもりです。
さすがは末永さん
しかし、慰問用って娯楽本が多いのですか?
まあその方が良かったでしょうねえ。
しかしこの間読んだ「無装荷松前」の松前重義氏は
反東條で追放された人ですから、こんな作品を前線に
ばらまいたのはずさんなものです。尤も昭和19年は
東條退陣後でしたっけね? ま誰かこの分野を開拓
してくれる人がいたら嬉しいです。
小生編集の〈幻の名作〉、小栗虫太郎の「悪霊」に笹沢左保氏の続作をつけて復刻するアイデア、日下三蔵氏に先取りされてしまいましたので、ご破算でございます。さて、そのかわりの企画とは?
岩波文庫にあるというのが、どなたかの書物エッセイにありましたね。
前線慰問用の出版には、今回のように普通の文庫本そのままのものと、特に慰問用に編集されたものがあります。どっちかというと後者に興味があります。(当たり前ですね)。
『くろがね叢書』や『戦線文庫』など、ブツさえ見つかればいくらでも新発見がありそうです。『戦線文庫』の興亜日本社なんて、どんな単行本を出していたのか、全貌が知りたいです。以前、十蘭掲載号を買いのがしたのが残念(たぶん顎十郎の再録なのでしょうが)。
それから、戦中に梁取三義が主宰して出していた娯楽本なんて、雑誌広告は見るものの、国会図書館にも出版年鑑にも「1冊も!」記録が残っていません。
案外、戦中には娯楽本が多かったのではないかとさえ思えるくらいです。
須川様。
というわけで、面白いテーマなのですが、難しそうですね。誰かがきっちり調べてくれたのをゆっくり読んで楽しみたいです。
事情があって、しばらく九州に帰っていました。例によって、古書店を回ってきました。決定的なものはありませんでしたが、調子に乗って、またたくさん買ってきました。
(二日ほどドサ回りで遅れました)
オーナー様、日下さん、桜さん 反応頂き有難うございます。
慰問用の本は他にも多数あるんじゃないかと思っていました。将来、「太平洋
戦争の戦域と慰問用春陽文庫の配布分布について」なんて言う論文がでれば
良いですね。 貸本文化の次のテーマはこれで決まりだ!>末永さん (^○^)
ま、冗談はさておき石井さんも言っておられましたが、前線から持ち帰った
本だとするとさまざまな思いが浮かびますね。
=====こんなのです=====
「密林の醫師」(渡邊啓助)昭和19年7月7日発行 定価65銭
発行者 陸軍恤兵部 納入者 春陽堂文庫出版
(「本書は国民の熱誠なる恤兵寄付金を以って調製、将兵慰問のため配布」と
あるのに、なぜ定価があるんでしょうねえ?)
収録作:密林の醫師、陸鰐島の虜囚、ジャガタラお春、ビルマの櫻吹雪、
チベットの雪豹、無装荷松前、沙漠のヨシツネ、沙底の聖火
(これって「陸鰐島の虜囚」の文庫落ちじゃないんでしょうか?
「無装荷松前」は仕事柄興味ありましたが他はねえ・・。)
春陽文庫の市販品と同じものと思うのですが・・・春陽文庫や新潮文庫には
他にも慰問用が一杯あるんじゃないのか、というのが僕の前回の質問です。
お持ちの方、名乗り出てくださいませ。
>日下さん
本書は僕には豚に真珠です。次回お目に掛かった時に差し上げますので資料と
して御活用下さい。従って、M4のままです。 (^○^)
須川さんが、渡辺啓助『密林の医師』春陽文庫版についてかかれたので、奥木さんの年譜をみました。
直木賞の候補作でした。
日下さんの情報によれば,貴重な文庫のようです。
私は、陸軍が前線慰問用に配布という告知にひかれました。
この手の慰問用文庫本は一杯あるのでしょうか、という問には,以前,手に入れたものにあった記憶があります。
昨年,7月、手にしたものは、啓徳社版,国民明朗文庫『傑作スパイ小説集』大井忠編、昭和16.10.18発行、表紙には、
戦地の兵隊さんに是非一冊
と印刷されています。
・渡辺啓助「悪魔の刺繍」、キング(昭和15.5月)再録
・蘭郁二郎「匂いの事件」、オール読物(昭和14.11月)再録
以下,9名による9作、書き下ろしもある。
「失楽園殺人事件」のときは、「春陽堂文庫」で出たばかりなのにどうしてと言う思いもあったのですが、(最後まで読んでください)
掲題の解説を読んで、このところの敷居の高さも含めて、氷解できました。
これだったら、どんどん敷居が高くなってほしいなと言う感じ。
がんばってください。
扶桑社文庫の『加田伶太郎全集』を見ていて、かつて日本版「クイーンの
定員」なるものを選んでみよう、と試みたことがあるのを思い出しました。
くわしいラインアップはおぼえていませんが、記憶している範囲ではこの
本のほかに
酒井嘉七:探偵法十三号
山本禾太郎:抱茗荷の説
鮎川哲也:下り〈はつかり〉(ロマン・ブックス版)
鷲尾三郎:悪魔の函
岡田鯱彦:地獄の追跡
大阪圭吉:死の快走船
赤川次郎:幽霊列車
連城三紀彦:変調二人羽織
泡坂妻夫:亜愛一郎の狼狽
水谷準:暗黒紳士
久生十蘭:顎十郎捕物帳
都筑道夫:血みどろ砂絵
日影丈吉:善の決算
とかが入ってました。う〜ん、あとはなんだったろう。
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