桜さま
「美貌術師」の情報有難う御座います。「美顔術師」ではなかったんですね。
小学生には、美「貌」という字は難しくて美「顔」と覚えてしまったのかも
しれませんね。作者「城 昌幸」は納得です。たしかにそんな感じでした。
でもその頃でも、結構再録ってあったんですね。
お蔭様で今夜はスッキリした気持ちで眠れそうです(^o^)。
末永さん、買った記憶がないのに、あると嬉しいものですね、後ろに、納品書があり、購入日などを確認しました。それは
『白蟻』三版
です。
『白蟻』三版 小栗虫太郎/
三一六頁/松野一夫装幀/松野一夫 宮下光代挿絵
昭和10年10月18日初版発行、と記載が奥付けの枠の外に、横書きでかいてありました。
昭和16年7月5日再版
昭和17年3月31日三版印刷
昭和17年4月8日三版発行
とあります。
発行所 東京市浅草区小島町2丁目十番地 金鈴社
発行人 松木玉之助 印刷所 水谷太京社
「白蟻」「完全犯罪」「夢殿殺人事件」「聖アレキセイ寺院の惨劇」
「後光殺人事件」
が収録され、「序文」もありました。
トビラノさんも登場されて、熊谷さんのこと、一層明確になります。
はじめまして。
こうした掲示板に書くのははじめてで、すこし緊張です。
まず熊谷さんの出版物リストをこのように公開調査をしていただき、うれしい限りです。オーナー様、ありがとうございます。また、さっそく貴重な情報を寄せてくださっている皆さまにも感謝いたします。
『sumus』で書いた拙文について、この場所での反響はたいへん励みになっています。
akawas様、いろいろと私の間違い、勘違いをご指摘いただきありがとうございました。とくに拙文中の『小説』についての記述で、オーナー様の調べられたデータをakawasさんの調査と取り違えていたこと、申し訳ありませんでした(それにakawasさんの「a」が一字抜けていたので二重に失礼をしています)。akawasさんには、先の掲示板で私にかわりお詫びまでしていただいて…今後、どんな文章を書くにもより一層の注意を払いたい所存です。
いまはとにかく次号『sumus』で掲載する熊谷さんのインタビューのひとことひとことを逃さず活字に置き換えることに全力をつくします。インタビューの監修には、実際インタビューにあたられたakawasさん、akawasさんの友人のYさんとにお願いしていますので私としては心強いかぎりですが。
とにかく何度もくりかえした言葉ですが、『ぷろふいる』、熊谷さんをめぐる不思議なご縁で、このような場所に参加させてもらい、私としてはなんとも言葉ではうまく言い得ぬ興奮がずっとつづいています。
熊谷さんをめぐるワールドはまだまだひろがりがありそうですね。
今後ともよろしくおねがいします。
古書店にて。
戸板康二さんの本が、二十冊余り並んでいたのですが、よく見ると、推理小説関係はありません。
歌舞伎関係、随筆のものがあるだけです。
見事にぬけおちているので、訊いてみますと、他の著者のも含めて、30冊あまりのものが、並べると、すぐに売りきれた、とのこと。値段は平均500円にしていたようです。
それらは買わずに、素通りしました。何となく、こころのこりです。
日下三蔵さま
村田と申します。
指名の発言でごめんなさい。すこしくお教えいただいたいことがございます。
ちょっとまえのおはなし。日下さまが、1月26日N0.928で触れらていらっしゃる『幻の本』のうち、
水上勉『鷹の鈴』なのですが、早川書房の例のシリーズで予告されていたものだと存知ますが、
昭和41年ごろ集英社(コンパクトブックス?)から出版したときく、水上『鷹の鈴』とは、同題異作でございましょうか。
早川予告分では、ハードボイルドらしき作品だと記憶しておりますが、同一傾向のものであれば、
ぜひ、手をのばしてみたいと思いまして・・・。
ぶしつけに申しわけございません。どうぞよろしくお願いいたします。
重ねて訂正。
熊谷書房の住所は、
神戸市葺合区吾妻通三ノ一七
が正しいです。「通」が入ります。
もっとよく目を覚ましてから書き込めばよかったと反省してます。
早速訂正します。
発行者 熊谷市郎(神戸市葦谷区吾妻三ノ一七)
は間違いで、
発行者 熊谷市郎(神戸市葺合区吾妻三ノ一七)
が正しく、
印刷所 富森茂●[漢字無し。「彭」の「士」が「水」になったもの]
は間違いで、
印刷所 富森茂●[漢字無し。「彭」の「士」が「木」になったもの]
が正しいです。
それから、定価は30円でした。
実は『誰が裁いたか』も発見。『ホテル紅館』(状態悪し)で読みにくかったところを確認しました。『誰が裁いたか』も確認ができていないようなので、念のため以下にデータを貼り付けます。
+++++++++++++++++++++++++++++++++
『探偵小説 誰が裁いたか』甲賀三郎
昭和21年12月20日印刷 昭和21年12月25日発行(初版/再版などの表示無し)
著者 甲賀三郎
発行者 熊谷市郎(神戸市葺合区吾妻三ノ一七)
発行所 熊谷書房(神戸市葺合区吾妻三ノ一七)
印刷所 富森茂●[漢字無し。「彭」の「士」が「木」になったもの]
(京都市下京区西洞院通七条南 内外印刷株式会社)
配給元 日本出版配給株式会社(東京都神田区淡路町二丁目九)
会員番号 A二一一一二六号
定価 11円
+++++++++++++++++++++++++++++++++
収録作品は「誰が裁いたか」と「血液型殺人事件」です。これも紙型流用でしょうね。
実は、これも持っているのを忘れていました。記憶力が減退しています。本棚の「仙花紙本コーナー」をほとんど見なくなったというのもあるのですが。
もうないとは思いますが、もう一度確認してみます。
お知らせいたします。
梅に替わりましたね。>オーナー様。
***********************************
『ホテル紅館』大下宇陀児
昭和23年3月20日印刷 昭和23年3月25日発行(初版/再版などの表示無し)
著者 大下宇陀児
発行者 熊谷市郎(神戸市葦谷区吾妻三ノ一七)
発行所 熊谷書房(神戸市葦谷区吾妻三ノ一七)
印刷所 富森茂●[漢字無し。「彭」の「士」が「水」になったもの]
(京都市下京区西洞院通七条南 内外印刷株式会社)
配給元 日本出版配給株式会社(東京都神田区淡路町二丁目九)
会員番号 A二一一一二六号
***********************************
収録作は「ホテル紅館」と「赤い蝙蝠」の2作です。多分紙型流用でしょう。戦前版と比べたことはないのですが、ノンブルがページの小口側上方にやたらと大きな活字(4号活字)でという妙なデザインなので、確認は容易でしょう。装丁は赤と緑を基調としたもので、戦前版のイメージを踏襲したものです。大体において、仙花紙本で出し直す場合にも、オリジナルの装丁を律義に踏襲してますね。
多分、表に出ていて空白になっているのがこれだと思いますが、不可解な出方ですね。
この『紅館』、大昔に買ったもので、持っているのを忘れていました(笑)。
他には、あまりご協力できそうなものは持っていないようです。後は雑誌広告のチェックぐらいですね。
岩堀さん、記憶力、すごいです。
「探偵実話」昭和29年4月30日発行(5巻5号)、探偵実特別増刊 現代探偵小説名作全集に掲載の「美貌術師」城 昌幸
です。「美顔術師」ではないようです。「モダン日本」昭和12年の再録でした。
容貌を美しく変える術を会得した友人をめぐる話、です(短編)。確かに、渡辺さんの話を思いださせます。
小林さん、熊谷さんのリスト、こうして見ますと、ある種のすばらしさを感じました。
あの「青版」、6冊とも、すべて、再版では、この色を採用しています。再版のほうが入手しやすかったです。
小林文庫です。
岩堀さん
岩堀さんも「渡辺啓助100歳記念展」は行かれのですか?
私は、結局仕事で行けませんでした。
芳名簿が有ったのですか? 記念にサインをしてきたかったです。 (・_・、
「渡辺啓助100年の軌跡」も欲しかった…(笑)
> (挿絵が浮んできます)
いつもながら、岩堀さんの記憶力は素晴らしいですね。
「探偵実話」のことは、きっと桜さんが教えてくださると思います。
桜さん
戦後版「ぷろふいる」、私の持っているのは3号が「元版」、4号が「青版」のようです。
「青版」は確かに青いですね。(笑)
熊谷書房と中外印刷の住所は全く同じですが、これはどんな意味が有るのでしょう?
3号には、扉野さんがご紹介している「「ぷろふいる」再刊記念の会」の写真が載っています。
> 小林さん、この周辺、この掲示板で完成したいものですね。
力強いお言葉、ありがとうございます。
これを機会に、熊谷さんのお仕事を整理できれば、と思っています。
桜さんはじめ、皆様のご協力、よろしくお願いします。
扉野さんの作成されたリストを元に、一部私が増補したリストを、HPに掲載しました。
(ゲストブックの上部「お知らせ」のところに、リンクしてあります)
私の蔵書と能力で、増補できるのは、この辺りが限界です。
ご協力、重ねてお願いします。
後は、出版年鑑等をあたってみたいと思っています。
リストを入力していて、疑問に思ったことを何点か…
・ 何故、熊谷書房から森銑三さんの著書が出版されたのか? 少し、違和感があります。
・ 熊谷書房の出版物は、もっと有りそうですね。
手もとの書誌やWEB検索では、三上紫郎の著書などは、全くヒットしませんでした。
皆さんの蔵書に期待しています。
・ 熊谷書房版『抱茗荷の説』山本禾太郎、『蔦の家殺人事件』矢作京一は、本当に出版されているのですか?
中島河太郎さんの蔵書なら、ミステリー文学資料館をチェックすれば良いのでしょうが…
・ 末廣書房の「ぷろふいる叢書」は、雑誌「ぷろふいる」の広告では「ぷろふいる社刊」となっているのですが、ぷろふいる社版も有る?
オーナー様
渡辺啓助展、残念でしたね。私は10日の昼過ぎに行きました。
芳名簿見たら、須川さんが午前中来られた様子、オーナーの
お名前はなかったので、これから来られるのかなと思ってました。
会場で頂いた「渡辺啓助100年の軌跡」を見ますと、昭和28年
NHK「素人ラジオ探偵局」『河童屋敷』を担当 とあるので
びっくりしました。この番組、よく聞いたものです。TV時代では
「私だけが知っている」というのが有名ですが、その前は「素人ラジオ
探偵局」が結構人気ありましたね。
それと昭和6年新青年に「変身術師」掲載とありますが、昭和30年
前後(?)の探偵雑誌(多分「探偵実話」)で「美顔術師」というのを
読んだ記憶が甦ってきました(挿絵が浮んできます)。「変身術師」とは
別作品と思いますが、こちらは誰の作品かなあと気になってきました。
ご存知の方おりませんか?
小林さん、この周辺、この掲示板で完成したいものですね。
・かもめ書房の「近代女性の科学的教養」戸田忠吾、
と、広告ではなっています(戸田忠、ではないようです)。
・「ぷろふいる」再刊3号
「ぷろふいる」再刊4号
これらには、それぞれ、おもて表紙、うら表紙が異なる2種類があります。
印刷、発行年月日が記載されていますが、2種類とも同じです。
この増刷・再版(と呼びますと)では、表紙全体が「青い」ので、「青版」と呼ばれているようです。
印刷所は、「中外印刷株式会社」です。
須川さん、「小栗虫太郎傑作選」IV,Vは初版印刷ながら、他の3冊と異なり、少し、色が全体的に白くみえます。
残念ながら、私のも、帯がこの2冊にはありませんので、帯のことが確認できません。
古書店にて。
1 笠原卓「闇からの遺産」文華新書 昭和52,1刷 100
2 海渡英祐「白夜の蜜室」徳間文庫1990 初版・帯 100
カーの1930年のトリックとおなじ(新保さんノ解説)
3 夢野久作「冗談に殺す」日本小説文庫 275 昭和13.2.15 十一刷
汚れアリ、 250
このところ、春陽堂の文庫を入手しています。
かもめ書房単行本
昭22(1947)
- 『怪奇を抱く壁』‐角田喜久雄/「九月刊行」(『ぷろふいる』四号広告)
02-11 『幻影の城主』(随筆集)‐四六版二三一頁/三〇円
03-11 『ホテル紅館』‐大下宇陀児/B6版仙花紙本/
発行者 熊谷市郎 奈良県生駒郡郡山町/発行所 かもめ書房 京都市下京區麸屋町佛光寺上ル
05-22 『惡魔の黙示録』‐/B6版仙花紙本/
発行者 熊谷市郎 奈良県生駒郡郡山町/発行所 かもめ書房 京都市下京區麸屋町佛光寺上ル/二八円
昭23(1948)
- 『探偵小説』‐横溝正史/B6版二七七頁/*
不明
- 『探偵法十三号』‐酒井嘉七/三五円
- 『近代女性の科学的教養』‐戸田忠/二五円
‐ 『二人源三郎』‐九鬼澹
かもめ書房雑誌
『小説』 全10冊余昭22(1947)05―昭24(1947)
※九鬼紫郎著『探偵小説百貨』によると同誌は『ぷろふいる』(第2次)を発行しつ
つ、一方で熊谷が運営した営業雑誌。編集は九鬼澹。一号はB5版五六頁、定価二〇
円。発行元住所の「奈良県生駒郡郡山町」は熊谷夫人の実家。毎号長編小説を一本掲
載するという方針をうちだし角田喜久雄の名作『銃口に笑う男(のち改題、高木家の
惨劇)』や横溝『黒猫(のち改題、黒猫亭事件)』を初号、三号にそれぞれ掲載し
た。
『小説』についての詳細は小林文庫、「長編小説雑誌『小説』総目次」を参照
*はネット検索による。主に神奈川県立近代文学館のHPを参照。
情報源はさまざまでakawasさんから見せていただいた本の奥付や、
『大衆文芸図誌』(八木昇/新人物往来社)など参照しましたが、
神奈川県立近代文学館はネット検索するかぎり、かなり探偵小説関連の
蔵書があるようです。
---------------- 以上、ここまで 扉野さん試作のリストです ----------------
熊谷書房単行本
昭16(1941)
06-15再 『蜘蛛』甲賀三郎/四六版/東郷青児装幀/
初版昭和10年10月18日という記載はぷろふいる社版と思われる。/*
07-05再 『白蟻』‐小栗虫太郎/四六版函/三一六頁/松野一夫装幀/松野一夫・宮下光代挿絵/一円五〇銭/
「昭和10年10月18日初版」と記載があるのはぷろふいる社版。ただし実際のぷろふいる社版『白蟻』は同年5月22日初版とある。
No.772 「海の先駆者」三上紫郎 昭和18年6月 熊谷書房
No.776 「錦吾捕物帖 物言ふ人形」三上紫郎 熊谷書房 昭和16年12月15日初版/17年3月15日再版
10- 『航続海底二萬哩』-小栗虫太郎/四六版函/一円六〇銭/茂多井武装幀
12-15 『海底諜報局』‐大阪圭吉/四六版函/一円六〇銭
三〇九頁/鮎川哲也によれば著者自装(小林文庫「大阪圭吉のホームページ」参照)
12-15再 『錦吾捕物帖 物言ふ人形』‐三上紫郎/加納哲装幀/一円四〇銭
昭17(1942)
03-15再『錦吾捕物帖 物言ふ人形』‐三上紫郎/加納哲装幀/一円四〇銭
- 『南海の太陽児』−横溝正史/近刊案内『羅馬の酒器』
07-08 『羅馬の酒器』‐甲賀三郎/四六版函/三〇六頁/茂多井武装幀/一円六〇銭/
発行者 熊谷晃一/発行所 熊谷書房 神戸市葺合區坂口通七、五十、一/
印刷所 内外出版印刷株式會社 京都市下京區西洞院七條南入/配給元 鞄本出版配給
昭18(1943)
06-20 『書物と人生』‐森銑三/*
06- 『海の先駆者』-三上紫郎
昭20(1945)
02-20 『夢殿殺人事件』‐小栗虫太郎/存在するかは不明
昭21(1946)
04-10再 『夢殿殺人事件』‐小栗虫太郎/B6版仙花紙本/
発行者 熊谷市郎/
12-25 『誰が裁いたか』‐甲賀三郎/B6版仙花紙本/
発行者 熊谷市郎/発行所 熊谷書房 神戸市葺合區吾妻通3-17
昭23(1948)
01- 『近世剣客傳』‐宮本謙吾/B六版/二七七頁
熊谷書房雑誌
『ぷろふいる』全5冊 昭21(1946)07―昭22(1947)12
昭22(1933)
04-01 再刊第三號‐B5版/四六頁/
發行所 熊谷書房神戸市葺合區吾妻通3-17 東京支社 東京都神田區松富町十一番/
編輯者 森本紫郎(九鬼紫郎)/發行人 矢田利男/
印刷所 樺外印刷 神戸市葺合區吾妻通3-17/定価十五円/
表紙 高井貞二 扉絵 中島章作
08-05 第二巻第二號 通巻四號‐B5版/四八頁/
發行所 熊谷書房 神戸市葺合區吾妻通3-17 東京支社 東京都神田區松富町十一番/
編輯者 森本紫郎(九鬼紫郎)/發行人 白川四朗/
印刷所 樺外印刷 神戸市葺合區吾妻通3-17/定価二十円/
表紙 高井貞二 扉絵 中島章作
※前掲『幻影城』に第二次『ぷろふいる』は財政難のため『假面』と改題して、発行
所を東京に移し熊谷市郎の手を離れたとある。『假面』は八千代書房発行、熊谷市郎
は事業権を同書房主に譲渡した(『探偵小説百貨』[九鬼紫郎/金園社/昭和50
年])。
以下、扉野良人さんの試作された「熊谷さんのかかわった出版社の刊行物目録」を、掲載します。
(WEBで見やすいよう、改行等 一部を変更しました)
このリストを元に、追加すべき情報、訂正すべき情報、書籍の所有情報などを、教えていただきたいと思います。
宜しくお願い致します。
(不都合等が有りましたら、ご指摘下さい。)
---------------- 以下 扉野さんのメールより引用しました ----------------
ぷろふいる社単行本
発行年月日『書名』‐著者/版型/頁/装幀/挿絵/価格
昭10(1935)
05-22 『白蟻』‐小栗虫太郎/四六版函/三一六頁/松野一夫装幀/松野一夫・宮下光代挿絵/一円九〇銭/*
10-18 『血液型殺人事件』‐甲賀三郎/四六版/東郷青児装/*
昭11(1936)
03-01 『小笛事件』‐山本禾太郎/四六版カバー/三七四頁/一円二〇銭
06-05 『死の快走船』‐大阪圭吉/四六版函/三一八頁/ 高井貞二装幀/一円二〇銭
※江戸川乱歩著『幻影城』(岩谷書店/昭和29年特製限 定版)の「探偵小説叢書目
録」によると、末廣書房の刊行になる「ぷろふいる叢書」というシリーズがあった。
四六版 一円 自昭和11年12月至同12年2月 @大下宇陀児『ホテル紅館』Aクロフ
ツ『スターベル事件』の2冊を刊行したのみで中絶。他に甲賀三郎『探偵小説論』、
横溝正史『首吊り船』、ノートン『ペリン殺人事件』、小栗虫太郎『青い鷺』などを
刊行予定していた。大下「ホテル紅館」小栗「青い鷺」は『ぷろふいる』誌上で連載
された。また中島河太郎によれば末廣書房はぷろふいる社が出版のため別会社として
スタートさせたものであるという(『幻影城』[1975. 6 5]「『 ぷろふいる』五
年史」)。
※ぷろふいる社2周年の記念事業として『ぷろふいる』創刊号より昭和9年中に発表
した
新人創作から七篇を選び『探偵小説新人傑作集』を上梓した。新人集の第二輯は十年
度の
作品から選んだ。この『新人傑作集』は毎年刊行するつもりであったが2冊だけに終
わった。
(『幻影城』[1975. 6 5]「『 ぷろふいる』五年史」)。
ぷろふいる社雑誌
『ぷろふいる』全48冊 昭8(1933)05―昭12(1937)04
昭8(1933)
05-01 創刊号‐A5版/七八頁/
編輯並印刷者 馬場重次/發行者 熊谷晃一/
印刷所 内外出版印刷株式會社 京都市下京區西洞院七條南入/
ぷろふいる社 京都市下京區四條河原町西入下ル/
發賣元 椛蜷キ社 京都市中京區三條通烏丸東入/定價二〇銭/
表紙 加納哲
06-01 第1巻2号‐A5版/八二頁/以下創刊号に同じ
12-01 第1巻8号‐A5版/一二四頁/
編輯者 印刷者 發行者 熊谷晃一/
印刷所 塚本商會印刷部 東京市京橋區銀座八丁目二番/
ぷろふいる社 東京市澁谷區代々木深町一六一三/編輯部 京都市左京區北白川平井町二七/
定價二〇銭/
表紙 加納哲
※表紙は加納哲(創刊号カラ一年アマリ)のあと横山隆一、宮崎某、吉村某、高井貞二
(41号〜終刊号)が担当した。頁数は百頁余り定価は二〇銭、後には百五十頁を往来
して三〇銭。昭和十二年に入り編集部も東京に移る。終刊号に「探偵倶楽部」発刊を
予告しているが刊行されず。
No.981 akawas さん、No.995 芦辺拓 さん
貴重なエピソードをご紹介ありがとうございます。
コアなミステリ・マニアの数は多くないので、akawasさんと芦辺さんがお知り合いだったとしても、そんなに驚く必要はないのですが、(akawasさんのおっしゃる通り)「『ぷろふいる』傑作選」の企画の時期に、情報が交差した事は、単なる偶然とは思えません。
「sumus」のことも、まず「白梅軒」でのakawasさんの紹介で雑誌の存在を知って(そのときは熊谷さんの話題は出ていなかった)、面白そうな雑誌だったので取り寄せたところ、扉野良人さんの「ぷろふいる社 1933-37」を発見したのです。
このエッセイで、扉野さんは芦辺拓さんの「『ぷろふいる』傑作選」の解説と、akawasさん=ある探偵小説愛好家のエピソードに触れていらっしゃたのです。
この時点では、akawasさんと「sumus」の関係も無かったわけですよね。
扉野さんの「K.I.M.M 熊谷市郎氏の探偵小説出版」によれば、熊谷さんのご令嬢と扉野さんのご祖父母は、知り合いでもあったそうです。
熊谷さんの古書店に同行した方が、神戸で古書店を経営していた、一緒にインタビューした方が偶然電話をしてきて日下さんと一緒に仕事をなさっている、とか………
こんなに偶然が重なっては、本格ミステリーは書けません。
これは、もう人知を超えた意志が働いているとしか思えません。
これを機会に、ぜひ熊谷市郎さんの再評価を進めていただきたい(行きたい!)、と思います。
そんな流れの中で、扉野良人さんからメールをいただきました。
扉野さんは、「熊谷市郎インタビュー」の全文公開や、熊谷さんのご遺族へのインタビュー、熊谷氏の関係した出版物リストの公開、などを準備されているそうです。
微力ながら、私もご協力させていただく事にしました。
まずは、扉野さんの作成された「熊谷さんのかかわった出版社の刊行物目録」を、公開させていただきます。
リストを完成させるために、皆さんの情報提供をお願いします。
よろしくお願いします。
普段は図書館に有る本は図書館で読めば良いなどと言っていますが、こんな時には私の蔵書の貧弱さを痛感しますね。
私の所有している書籍は、6冊だけでした。
扉野さんの作成したリストを元に、追加訂正したリストを、別頁に公開する予定です。(明日、公開予定)
皆さまの情報は、そこに追加して行くつもりです。
ぜひとも、ご協力をお願いします。
小林文庫です。
「渡辺啓助100歳記念展」、結局行けませんでした。 (;>_<;)ビェェン
「ネメクモア」だけは、お願いして購入してもらったのですが、啓助さんの絵や著書も見たかったのに…。
仕事が順調でなくて、困ってしまいます。 (;^_^;)
地元の図書館が、啓助さんの古めの著書を所有しているようなので、変わりにそちらに行ってみようと思っていますが、来週に行けるかどうか?
No.983 風狂 さん
情報提供ありがとうございます。
探偵小説蒐集家の皆さんは、ご存知かと思いますが、「風狂」さんは探偵小説が充実していることで有名な、神戸の古書店さんです。
HPも持っていらっしゃるので、ご存知なかった方は、訪問して見てください。
そういう方にも覗いていただいている事に驚きました。
ちなみに私は、以前は古書目録をご恵送いただいていたのですが、最近は送っていただけなくなりました。
その程度の、軟弱なミステリー・ファンなのです、私は。
桜さん
配本順は桜さんの言われるようにVUTWXの順と
僕も思います。その理由は、その順に買った記録が
あるからです。ところで、前から誰かに聞こうと
思っていたのですが、帯は全冊についているので
しょうか? 僕の持っているのはWXは帯欠です。
小栗虫太郎の教養文庫の配本順は、次のようになると思います。
日付けは初版第1刷です。
1 「青い鷺」III 昭和51.5.30
2 「白蟻」 II 昭和51.9.30
3 「黒死館殺人事件」 I 昭和52.4.25
4 「潜航艇「鷹の城」」 IV 昭和52.12.15
5 「紅毛傾城」V 昭和52(ママ、53でしょうか).8.30
差出期限の葉書が、それぞれの、文庫についていました。
2では、昭和51.11.30まで有効
4では、昭和53.8.31まで有効
5では、昭和54.6.9まで有効
これからみますと、4,5の順と思われますので、5のは、印刷ミスでしょうか。また、いわいさんがここに書かれたように、C1978が、5には書かれていました。
こしぬまさんは、この初版の日付けの訂正を確認されていました。
なお、4と5のカバーは、4,5が既刊とする表紙でした(後からのものか)ので、カバーからは配本順が確認されませんでした。
芦辺さん、2月の、文庫、小説推理連載、単行本、楽しみにしています。
森さんの、このところの収穫にはうらやましく思います。
しばらくぶりで拝見しましたら、『「ぷろふいる」傑作選』でお世話になったakawasさんのあの件に関する書き込みが……。
いやー、本当に不思議な偶然の連続でした。とくに思い切ってakawasさんにメールを差し上げ、仮面を脱がれたときには驚きました。あの当時、サークルのみなさんにはいろいろお世話になりましたが(よく真剣に相手になってくださったものです。ああ、そうだ。わが人生を変えた一冊『リラ荘殺人事件』のことを教えてもらったのもここだ)、akawasさんには特に親しんでいただきました。
たまたま書いていった拙作を、この会で犯人当てゲーム用に朗読してくださったのも確かakawasさんではなかったですか(記憶違いだったらごめんなさい)。ちなみにこのとき、赤子の手をひねるがごとく全員に真相を看破された屈辱が、「読者を引っかけ、驚かすためなら何をやってもいい」というのちのちの信念につながったわけです。あと「13」という数字のへのこだわりも、このときの会が由来でして……。
豊文社の巻末広告で見てからずっと欲しかった、山岡荘八の『顔のない男』、
後版の桃源社ポピュラー・ブックスでようやく入手できました。やはりミス
テリのようです(殺人は、少なくとも2回起きます)。「五月の指輪」なる
短編も併録されていますが、どうやらこちらは単なる現代小説のよう。
時代作家では柴鎌の『悪魔は月の中に』(和同出版社)という現代物も
入手しましたが、こちらは各章題とぱらぱらめくっただけでは、ミステリ
なのかどうかはっきりしません。
「マツキ書店の紙型流用出し直し部門(厳密にいうとちょっと違いますが)」なので、当然のことだと思います。
私のもっていた『夢殿』ですが、戦後版だったので「再刊の(さらに)出し直し」ということだったのでしょうか。
それにしても、売らなきゃよかったです。
ここで、とりあげられた『白蟻』の書影が下のHPでみられます。
ワセダミステリクラブOB会の HP での「戦前本」
『白蟻』3版、1942年(昭和17年)
として、翌年には、3版がでていたことがわかります。、
もしかしたら、これが、末永さんの言われた、金鈴社のものかもしれない、と思い、教養文庫『紅毛傾城』の、島崎博さんによる「小栗虫太郎著作年表」をめくると、そこには、なんと、
昭和十七年(1942)
『白蟻』 三版を金鈴社 4
とあります。はたして、これには「後光殺人事件」が掲載されていたのでしょうか。
知りたくなります。
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