推理小説 書評リスト

1996年9月−10月
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《9月》
『SINKER 沈むもの』 平山夢明(トクマ・ノベルズ) 〈私のベスト3〉
    森下一仁・評 朝日新聞 9月1日

◆『垂里冴子のお見合いと推理』 山口雅也(集英社)
    川出正樹・評 産経新聞 9月5日

◆「エンターテインメント私のベスト3」 新保博久・評 日本経済新聞 9月8日
    『不夜城』 馳星周(角川書店)
    ※ 執ような書き込み、濃厚な味
    『奪取』 真保裕一(講談社)
    『赤い密室 名探偵・星影龍三全集1』 鮎川哲也(出版芸術社)

◆「近ごろお薦めミステリー」 新保博久・評 朝日新聞 9月16日
    『不夜城』 馳星周(角川書店)
    『奪取』 真保裕一(講談社)

◆『凍える牙』 乃南アサ(新潮社) 〈売れてる秘密〉
    香山リカ・評 朝日新聞 9月22日

◆『奪取』 真保裕一(講談社)
    北上次郎・評 読売新聞 9月23日号
    ※ ……この作者の新しい才能のきらめきが随所に見られるのだ。

◆『上海カタストロフ』 柏木智光(講談社)
    (麗)・評 毎日新聞 9月23日号

◆「香山二三郎のミステリー・ガイド」 香山二三郎・評 産経新聞 9月25日
    『左手に告げるなかれ』 渡辺容子(講談社)
    『奪取』 真保裕一(講談社)
    『蒲生邸事件』 宮部みゆき(毎日新聞社)

◆『不夜城』 馳星周(角川書店) 〈今週のベスト・エンタテインメント〉
    吉野仁・評 週刊現代 9月14日号
    ※ 圧倒的な力強さを持つ暗黒小説の傑作が登場した。‥
      ‥‥じっくりと読んでほしい傑作である。

◆『βの悲劇』 夏樹静子・五十嵐均(角川書店)
    山内文明・評 サンデー毎日 9月22日号
    ※ 重巡に酸素魚雷は命中したか? 大型新人が描く敗戦直前の勝利

◆『雷撃深度一九・五』 池上司(新潮社) 〈メインディッシュ1〉
    生江有二・評 週刊宝石 9月19日号
    ※ 重巡に酸素魚雷は命中したか? 大型新人が描く敗戦直前の勝利

◆「Mystery Review」 香山二三郎・評 週刊文春 9月19日号
    『左手に告げるなかれ』 渡辺容子(講談社) ★★★★
    ※ ‥‥先輩の桐野夏生『顔に降りかかる雨』とはひと味違う社会派色を出した
      アーバンサスペンスに仕上がっていよう。

◆『コズミック』 清涼院流水(講談社ノベルス) 〈メインディッシュ1〉
    大多和伴彦・評 週刊宝石 9月26日号
    ※ このとんでもない連続密室殺人に、納得のいく説明をつけ、千4百枚を
      飽きさせずに読ませてしまう力技を持った新人の出現に、拍手をおくりたい。

◆『奪取』 真保裕一(講談社) 〈特選推理小説〉
    吉野仁・評 週刊現代 9月28日号
    ※ 最後の最後までわくわくさせられるハイテク犯罪小説の傑作である。

◆『奪取』 真保裕一(講談社)
    長谷部史親・評 サンデー毎日 9月29日号

◆『大藪春彦伝説』 野崎六助(ビレッジセンター出版局)
    構成・李淳〓(〓は馬偏に日) 週刊ポスト 9月27日号

◆「Mystery Review」 香山二三郎・評 週刊文春 10月3日号
    『奪取』 真保裕一(講談社) ★★★★1/2
    『蒲生邸事件』 宮部みゆき(毎日新聞社) ★★★★1/2
    ※ 一連の体験を経て主人公が新たな人生観、歴史観を見出していくくだりは、
      これぞ宮部ミステリーならではカタルシス‥‥

◆『ハーレクイン症候群』 米山公啓(学陽書房)
    池波志乃・評 週刊朝日 10月4日号

◆『左手に告げるなかれ』 渡辺容子(講談社) 〈今週のベスト・エンタテインメント〉
    郷原宏・評 週刊現代 10月12日号
    ※ 人物と事件が一つに溶け合って、感動的で読みどころの多い第一級の
      サスペンスに仕上がっている。

◆『奪取』 真保裕一(講談社)
    日下三蔵・評 SPA! 10月9日号
    ※ 本年度ベストテン入りは確実!ニセ札造りにハマッタ若者の冒険

◆『姑獲鳥の夏』 京極夏彦(講談社ノベルス)
    百人書評 ダ・ヴィンチ 1996年10月号

◆『パワー・オフ』 井上夢人(集英社)〈エンターテインメント情勢分析〉
    笠井潔・評 すばる 1996年10月号
    ※ 拡散と消滅

◆「新刊めったくたガイド」 北上次郎・評 本の雑誌1996年10月号
    『夕立太平記』 宮本昌孝(講談社)
    『地の果てからの生還』 ジュディス・クック(徳間書店)
    『海上タクシー〈ガル3号〉備忘録』 多島斗志之(双葉社)
    『上海カタストロフ』 柏木智光(講談社)
    『みんなで一人旅』 赤瀬川隼(文藝春秋)
    『まま父物語』 高橋幸子(思想の科学社)
    『ゴルビーのお産』 鳥取絹子(青山出版)

◆「新刊めったくたガイド」 坂東齢人・評 本の雑誌1996年10月号
    『幼な子われらに生まれ』 茂松清(角川書店)
    『夜を撃つ』 花村萬月(廣済堂出版)
    『ダンシング・オールライフ』 乗越たかお(集英社)
    『冬の稲妻』 小川竜生(徳間書店)
    『俺は鰯』 鳴海章(角川書店)
    『天切り松闇がたり』 浅田次郎(徳間書店)
    『パワー・オフ』 井上夢人(集英社)

◆『ジェンダー城の虜』 松尾由美(ハヤカワ文庫JA)
    大森望・評 アニメージュ 1996年10月号

◆「国内ミステリーベスト3」 長谷部史親・評 小説現代1996年10月号
    『左手に告げるなかれ』 渡辺容子(講談社)
    『青い水族館の惨劇』 川田弥一郎(祥伝社)
    『夜を撃つ』 花村萬月(廣済堂出版社)

◆「現代ミステリーベスト3」 関口苑生・評 小説現代 1996年10月号
    『不夜城』 馳星周(角川書店)
    『エンジェル・ダスト』 松木賢吾(学習研究社)

◆「新刊チェックリスト【日本編】ピックアップ」 山前譲・評 EQ1996年11月号
    『占い師はお昼寝中』 倉知淳(東京創元社)
    『合わせ鏡の迷宮』 愛川晶・美唄清斗(東京創元社)
    『どちらかが彼女を殺した』 東野圭吾(講談社ノベルス)
    『冷たい密室と博士たち』 森博嗣(講談社ノベルス)
    『人格転移の殺人』 西澤保彦(講談社ノベルス)
    『パズル崩壊』 法月綸太郎(集英社)
    『パワー・オフ』 井上夢人(集英社)
    『リオ』 今野敏(幻冬舎)
    『侵入者ゲーム』 吉村達也(講談社)

◆「HMM Book Review Jミステリ・レビュー」 西上心太・評 ミステリマガジン 1996年11月号
    『不夜城』 馳星周(角川書店)
    『奪取』 真保裕一(講談社)
    『漂流者』 折原一(角川書店)
    『星降り山荘の殺人』 倉知淳(講談社ノベルス)

◆「今月のベストミステリー・国内」 香山二三郎・評 小説推理 1996年11月号
    『不夜城』 馳星周(角川書店) 
    ※ ‥‥多国籍地域の歌舞伎町を見事、中国系一色の世界に組み換えてしまった、
      その力業こそ、本作の真骨頂にほかなるまい。
    『奪取』 真保裕一(講談社)
    『左手に告げるなかれ』 渡辺容子(講談社)



《10月》
『不夜城』 馳星周(角川書店) 〈売れてる秘密〉
    池上冬樹・評 朝日新聞 10月6日

◆『上海カタストロフ』 柏木智光(講談社)
    茶木則雄・評 産経新聞 10月6日

◆『雷撃深度一九・五』 池上司(新潮社)
    (昌) 毎日新聞 10月7日号

◆『奪取』 真保裕一(講談社)
    桜井哲夫・評 朝日新聞 10月13日
    ※ ‥‥この二段組み五百ページを超える物語は、やっと日本でも欧米なみの
      「構造主義者」が現れたことを証明している。うれしいではないか。

◆「エンターテインメント私のベスト3」 新保博久・評 日本経済新聞 10月13日
    『左手に告げるなかれ』 渡辺容子(講談社)
    ※ ゼロから始め、入念な取材
    『蒲生邸事件』 宮部みゆき(毎日新聞社)
    『いちばん初めにあった海』 加納朋子(角川書店)

◆『コズミック』 清涼院流水(講談社ノベルス) 〈エンターテインメント〉
    鏡明・評 読売新聞 10月15日
    ※ 1200の密室殺人に挑む名探偵 ジョークの域に達した推理

「近ごろお薦めミステリー」 新保博久・評 朝日新聞 10月15日
    『左手に告げるなかれ』 渡辺容子(講談社)
    『蒲生邸事件』 宮部みゆき(毎日新聞社)

◆『泥棒たちの昼休み』 結城昌治(新潮社)
    川西政明 読売新聞 10月20日

◆『蒲生邸事件』 宮部みゆき(毎日新聞社)
    もりたなるお 産経新聞 10月20日

◆『結婚詐欺師』 乃南アサ(幻冬舎)
    青木千恵 読売新聞 10月27日

◆「香山二三郎のミステリー・ガイド」 香山二三郎・評 産経新聞 10月30日
    『ゴサインタン −神の座』 篠田節子(双葉社)
    『ただ去るが如く』 香納諒一(中央公論社)
    『蝕みの果実』 船戸与一(講談社)
    『群衆の悪魔 デュパン第四の事件』 笠井潔(講談社)

◆「Mystery Review」 香山二三郎・評 週刊文春 10月17日号
    『ただ去るが如く』 香納諒一(中央公論社) ★★★★
    『ゴサインタン −神の座』 篠田節子(双葉社) ★★★★1/2
    ※ まったく先を読ませない後半の展開はただただスリリングで、カタルシス
      溢れるラストは感動また感動。ジャンルを超越した傑作というほかなく...

◆『笑わない数学者』 森博嗣(講談社ノベルス)
    野崎六助・評 サンデー毎日 10月13日号
    ※ 理科系「新本格謎解きミステリ」

◆『蒲生邸事件』 宮部みゆき(毎日新聞社)
    吉野仁・評 週刊現代 10月26日号
    ※ 奥行きの深い、趣向を凝らした物語の面白さもさることながら、味わいのある感動が
      たまらなくいい。まさに本書は、現代ミステリーの傑作である。

◆『左手に告げるなかれ』 渡辺容子(講談社)
    長谷部史親・評 サンデー毎日 10月27日号

◆『コズミック』 清涼院流水(講談社ノベルス)
    池波志乃・評 週刊朝日 1996年11月1日号
    ※ 積み重ねられた密室の謎 楽しみな新人がデビューした

◆『結婚詐欺師』 乃南アサ(幻冬舎)〈メインディッシュ1〉
    高橋智恵子・評 週刊宝石 10月31日号

◆『ゴサインタン −神の座』 篠田節子(双葉社)〈特選現代小説〉
    三橋暁・評 週刊現代 11月2日号
    ※ 本作は、神という孤高のテーマに挑んだ、まさに神がかり的な傑作である。

◆「Mystery Review」 香山二三郎・評 週刊文春 10月31日号
    『蝕みの果実』 船戸与一(講談社) ★★★★
    ※ 極めつけの長編作家、船戸与一も実はそうした(長編も短編もそつなくこなす
      タイプの)ひとりで、久々にその真価を発揮した短編集だ。

◆『苦い雨』 樋口有介(日本経済新聞社)〈メインディッシュ2〉
    (碧)・評 週刊宝石 11月7日・14日合併号
    ※ ハードボイルドと家庭。この取り合わせが物語に心地よい「ほろ苦さ」を与えた。
      大人の小説の傑作である。

◆『蒲生邸事件』 宮部みゆき(毎日新聞社)
    小林信彦・評〈私の読書日記〉 週刊文春 11月7日号

◆『蒲生邸事件』 宮部みゆき(毎日新聞社) 〈今週の三冊〉
    金田浩一呂・評 サンデー毎日 11月10日号

◆「新刊めったくたガイド」 北上次郎・評 本の雑誌 1996年11月号
    『血脈の火 流転の海 第三部』 宮本輝(新潮社)
    『青眉の女』 太田経子(講談社)
    『悪意』 東野圭吾(双葉社)
    『よそ者』 佐竹一彦(角川書店)
    『星降り山荘の殺人』 倉知淳(講談社ノベルス)
    『彼女が死んだ夜』 西澤保彦(カドカワノベルズ)
    『SINKER 沈むもの』 平山夢明(トクマ・ノベルズ)
    『左手に告げるなかれ』 渡辺容子(講談社)

◆「新刊めったくたガイド」 坂東齢人・評 本の雑誌 1996年11月号
    『奪取』 真保裕一(講談社)
    『日輪を狙う者』 高橋直樹(中央公論社)
    『ビンゴ』 西村健(講談社ノベルス)
    『雷撃深度一九・五』 池上司(新潮社)
    『夜を撃つ』 花村萬月(廣済堂出版)
    『いちばん初めにあった海』 加納朋子(角川書店)
    『蟲』 加門七海(集英社)
    『遠き山に日は落ちて』 佐伯一麦(集英社)

◆『笑わない数学者』 森博嗣(講談社ノベルス)〈エンターテインメント情勢分析〉
    笠井潔・評 すばる 1996年11月号
    ※ 理系と文系

◆『ただ去るが如く』 香納諒一(中央公論社)
    坂東齢人・評 小説すばる 1996年11月号
    ※ その真の才能が徐々に姿を現しはじめた。

◆『コズミック』 清涼院流水(講談社ノベルス)
    大森望・評 小説すばる 1996年11月号
    ※ 本格ミステリの「終着の浜辺」!? 今年最大の話題作

◆『蒲生邸事件』 宮部みゆき(毎日新聞社)
    入江和夫・評 オール讀物 1996年11月号

◆『結婚詐欺師』 乃南アサ(幻冬舎)
    下森真澄・評 オール讀物 1996年11月号

◆『泥棒たちの昼休み』 結城昌治(新潮社)
    植村修介・評 オール讀物 1996年11月号

◆「国内ミステリーベスト3」 長谷部史親・評 小説現代 1996年11月号
    『柘榴館』 山崎洋子(集英社)
    『ただ去るが如く』 香納諒一(中央公論社)
    『向う端にすわった男』 東直巳(早川書房)

◆「現代ミステリーベスト3」 関口苑生・評 小説現代 1996年11月号
    『苦い雨』 樋口有介(日本経済新聞社)
    『泥棒たちの昼休み』 結城昌治(新潮社)

◆『コズミック』 清涼院流水(講談社ノベルス)
    大森望・評 アニメージュ 1996年11月号

◆「HMM Book Review Jミステリ・レビュー」 西上心太・評 ミステリマガジン 1996年12月号
    『左手に告げるなかれ』 渡辺容子(講談社)
    『蒲生邸事件』 宮部みゆき(毎日新聞社)
    『結婚詐欺師』 乃南アサ(幻冬舎)
    『つきまとわれて』 今邑彩(中央公論社)

◆『パワー・オフ』 井上夢人(集英社)〈今月のミステリー〉
    山口雅也・評 uno! 12月号

◆「今月のベストミステリー・国内」 香山二三郎・評 小説推理 1996年12月号
    『ゴサインタン −神の座』 篠田節子(双葉社)
    『ただ去るが如く』 香納諒一(中央公論社) 
    ※ ウエットな任侠活劇とドライな強奪活劇とを巧みに中和させた演出力は巧みのひと言で‥‥
    『蒲生邸事件』 宮部みゆき(毎日新聞社)

◆『パワー・オフ』 井上夢人(集英社)
    INTERNET magazine 1996年12月号


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last up date 1996/12/08